なでしこジャパンの国民栄誉賞副賞として「化粧ブラシセット」が贈られ、話題となった。製作したのは、広島県熊野町の化粧ブラシ専門メーカー「竹田ブラシ製作所」だ。
「化粧品のベースは油。筆や肌にムラなくなじませるには、原料毛の持つ油分を生かすことが大切です。メイクの本場西欧の技術をもとに、日本の技術を取り入れた独自の製法で、化粧ブラシを製造しています」
そう3代目となる竹田康洋さんは語る。
原料毛はイタチ、山羊、灰リスなどの天然毛。束毛の段階から何度も櫛掛けし、粗悪な毛を取り除きながら毛並みを整え、独自の型を利用して穂先を作っていく。原料毛の良さを引き出すには、毛質を見極めながらの繊細な作業が必要なため、すべては熟練職人による手仕事だ。
「毛の先を光に透かすと消えてしまう、産毛に近い“本当の毛先部分”を生かす作業は、日本の書筆の伝統技術に通じるもの。繊細な仕上がりは、目で見ても、肌を滑らせても実感していただけるはずです」(竹田さん・以下同)
なでしこジャパンに贈られたのは「椿シリーズ」のセット。なかでも灰リス毛100%のフェイスブラシは、素肌の上でさえ粉がなじみ、柔らかいタッチ、自然な発色が特徴だ。
「パウダーに軽く触れるだけで毛先に含まれ、優しく撫でるだけで必要な粉が肌に伸び、自然な艶感に仕上がります。グリグリと毛と毛の間に粉をはさみこむ必要はありません」
正しく使えばお手入れもティッシュで拭くだけというから、無精者にもオススメだ。
※女性セブン2015年6月11日号