「(和歌山県)太地町で捕獲されたイルカの入手をやめよ」という世界動物園水族館協会(WAZA)の要求を日本動物園水族館協会(JAZA)が受け入れた。欧米のイルカ漁反対派は「日本のイルカ漁は野蛮」と主張する。
WAZAへの「残留」という結果を受けて、JAZAからの脱退を検討する水族館も現われている。イルカ追い込み漁の地元・和歌山県太地町でも、漁業組合関係者らが一様に「納得がいかない」と反発した。
イルカ漁反対派の主張は、「頭がいいから獲ってはならない」「かわいいイルカを殺すなんてかわいそう」という感情の押しつけでしかない。科学的な論拠でも法律やルールといった共通基準でもなく、極めて独善的な価値観の押し付けだ。
ならば、「頭の悪い」動物はどうなってもいいのか。「かわいい」「かわいくない」の基準は誰が決めるのか。「かわいく」なければ殺していいのか。そう言い返したくもなる。
※週刊ポスト2015年6月12日号