「とにかく優秀なのは女子です。男子は驚くほどに情けない」──そう話すのは、とある企業説明会に人事担当として来場していたAさん。
いたるところでリクルートスーツに身に包んだ学生を目にすることも多くなり、いよいよ本格的に幕を開けた感のある2016年新卒組の就職活動。その年その年で学生たちのカラーが違うとはよく耳にするが、なんでもここ1~2年は「女高男低」の傾向が激しく、就活男子の不甲斐なさが目につくという。Aさんは厳しい口調で続ける。
「まず多くの男子学生の姿勢が悪すぎて、立ち姿から仕事ができない感が漂っている。スマホやゲーム機の影響か分かりませんが、猫背の男性が多すぎてその時点で印象がガクッと悪くなります。また、女子は積極的に質問などをしてきてくれますが、男子はモジモジしている子が多いのも目につく。
素直に見てしまうと、採用候補者が女子ばかりになってしまうので、“女性は悪いところを見て、男性は良いところを見る”という視点を持たないとバランスのよい男女の選考ができないほどです(苦笑)」(Aさん)
かねてより就職活動においては「女子のほうが男子より優秀」といわれていたが、特に最近はその傾向が顕著のようで、同じ合同説明会に来場していた中小企業の採用担当者・Bさんも同調する。
「開始時間になっても男子3人組が企業ブースに入らないので、『どうしたんですか?』と声をかけたんですよ。すると、『もう一人来る予定の友達が遅れていて待っているんです』と……。合同説明会では、企業ごとに学生が座ることのできるイスが決められています。そのときは3席しかなかったため、4人で回っても一人は参加できません。何より就活よりも友達を優先する思考に驚きました。ウチの社長は、『ああいう友達とつるむことでしか行動できない学生は落としてよい』と言い切っていましたね」(Bさん)
草食化、仲間意識がやたらと強いマイルドヤンキー、などなど何かと昨今の男子は精神的に弱いと言われがちだが、その影響は就職活動の場においても顕在化しているようだ。
「合同説明会では企業リストを見て、どこの会社を回ろうか判断します。まずは中に入って、どんな企業がどんな説明をしているのか自分の目で確かめることも大切だと思うのですが、いつまでも紙の資料とにらめっこして一向に中に入らない男子学生も少なくない。
『こういう企業に興味があるのですが』とスタッフに声をかけてくれればいくらでも案内するのですが、自分からは動こうとしない。最近では“意識高い系”などという言葉が流行していますが、“意識持てない系”のほうが大問題ではないでしょうか。このままでは就活が女子優位の場になるのは明らかですね」(Bさん)
もちろんすべての男子学生が“意識持てない系”というわけではないだろうが、企業側から見れば、総じて女子学生のほうが優秀に見えているようだ。