ビジネス

米利上げはドル高要因? 為替がどう動くのか羊飼い氏が解説

 FX(外国為替証拠金取引)トレーダーにとって2015年の最大のイベントといわれているのが、米国の金利引き上げだ。すでに量的金融緩和を終了しており、どのタイミングで利上げが発表されるかが焦点となっているが、はたして為替にどんな影響を与えるのか。カリスマFXトレーダー・羊飼い氏が解説する。

 * * *
 FX投資家にとって2015年最大の関心事は、アメリカの利上げではないだろうか。利上げはその実施の前にも後にも為替相場に大きな影響を及ぼし、これまでもその時期をめぐってさまざまな思惑がマーケットを動かしてきた。千載一遇のチャンスにもリスクにもなり得るこの一大イベントに対し、投資家はどう向き合っていくかを考えておく必要がある。

 アメリカの金利が高くなれば、米ドルが買われやすくなるので基本的にはドル高要因だ。しかし一方で、金利が上がると企業にとっては資金調達のコストが高くなるうえ、株式投資の魅力も相対的に低下するので株安要因となる。アメリカの株安は米ドルを押し下げる効果もあるので、単純に一方的なドル高に進むとも言い切れないのが難しいところだ。

 現在、利上げ自体はほぼ確実視されており、マーケットの注目はその発表の時期に集中している。発表があるのは金融政策の基本方針や政策金利が発表されるFOMC(連邦公開市場委員会)が有力で、早くて6月(16~17日)か9月(16~17日)、遅くても年内との説が濃厚だ。

 FOMCは7月と10月にも開催されるが、この2回は記者会見が予定されていない。重要な決定には説明が不可欠であることを考えると、利上げ発表は会見のある6月、9月、12月の可能性が高い。

 利上げ発表に伴う為替相場の動きは、短期的には発表前にどれだけ織り込んでいるかによるだろう。たとえば、FOMCの前にすでにかなりのドル買いが進んでいるようなら、発表で材料出尽くしとなりいったんは売られるかもしれない。逆に、なんらかの理由で米ドルが低迷していたり、利上げ自体が先送りされそうなムードの中での発表となれば、サプライズとなって急騰することも考えられる。

 いずれにせよ短期的な値動きは予測が難しいが、中長期的には米ドルは買われ、ドル高トレンドが継続する可能性が高そうだ。

※マネーポスト2015年夏号

関連記事

トピックス

第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
第一子誕生の大谷翔平、広告出演オファー殺到でスポンサー収入200億円突破も ベビー関連・ファミリー関連企業から熱視線、争奪戦早くも開始か 
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
金メダル級の演技(C)NHK連続テレビ小説「あんぱん」NHK総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
朝ドラ『あんぱん』で“韋駄天おのぶ”を演じる今田美桜の俊足秘話 「元陸上部で中学校の運動会ではリレーの選手に」、ヒロイン選考オーディションでは「走りのテスト」も
週刊ポスト
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
(撮影/田中麻以)
【高市早苗氏独占インタビュー】今だから明かせる自民党総裁選挙の裏側「ある派閥では決選投票で『男に入れろ』という指令が出ていたと聞いた」
週刊ポスト
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン