2012~2013年度に米国の大学が受け入れた中国人留学生のうち8000人以上が退学していることが分かった。主な理由はカンニングなどの「不正行為」や「成績不振」だという。米教育機関「ホールエン・エデュケーション(HE)」の統計を元に、米国に拠点を置く中国情報専門の華字ニュースサイト「博訊( ボシュン)」が報じた。
米東部のボストンでは5月、カンニングや替え玉受験などで15人の中国人が警察に逮捕され、起訴された事件が起きたばかりで、このような大量の退学者が出るのは、英語や専攻科目などの実力が伴わないのに、海外留学で箔を付けようとする中国人が多いためだ。
HEによる、同年度の米大学における外国人留学生は約89万人に上るが、中国人留学生は全体の30%に当たる約27万人。中国人留学生の退学者は8000人なので、全体の3%が退学していることになる。
これが多いか少ないかは論議が分かれるところだが、その理由が不正行為や成績不振であることは「極めて不名誉」(博訊)であることは論を俟たない。
この理由としては、大学側が経営上の理由で、授業料を全額前納することを厭わない国々の学生を集めることに熱心であることが挙げられる。
日本はバブル期に大量の留学生を送り出したが、バブル崩壊後の「失われた20年」の間に企業派遣などの留学生が激減。その代わりに、毎年2ケタ成長を続けてきた中国人が急速に増えていった。
中国人留学生は当初、国費留学生が主で、優秀な学生が多かったが、20年以上も経過すると総体的に質が低下し、授業についていけない学生が多くなってきたという。
大学側も中国人留学生を多く確保しようと、SAT(大学進学適性試験)の受験やTOEFLの点数を義務付けていないところも多く、中国人留学生の学力レベルが低下していったのは否めない。
このため、試験でのカンニングや替え玉受験の続発し、退学に至るケースが多くなったという。
この傾向は中国内の大学でも同じで、中国で今月7、8両日に実施された全国統一大学入学試験「高考」で、江西省の捜査当局は受験生になりすました大学生らが受験する「替え玉受験」に関係した9人を拘束するなどの事件が発覚している。