かねてよりオールバックがお好きだった北朝鮮の金正恩第一書記。年を経るごとに髪はどんどん盛られて、サイドの刈り上げに磨きがかかり、ついには独創的な髪型になってしまった。
2010年に金正日の後継者としての地位が確立され、表舞台に現われ出した頃は、サイドを高く刈り上げる「野心ヘア」と呼ばれる髪型だった。それが、2014年になると、前髪を垂らしたカジュアルな髪型に変化。北朝鮮の男性は同じ髪型にするよう義務付けられたと報じられる。
そして今年は、見事に固められたカリフラワーのような髪型に。党中央委員会の会議になるとワックスも多めだ。
いくら“奥の院”に籠もっていても、少年期をスイスで過ごした経験を持つ彼が変だと思わないのはおかしい。そこで取り沙汰されているのが病気説だ。
「精神疾患で正常な判断力を失っているため」という話が出たかと思えば、「急激に白髪が増えて見えるのは腎臓が悪いから」ともいわれる。
また、5月に側近が反逆罪で処刑された際には、「髪型を笑ったからではないか」という話まで飛び出した。
ここまで髪型が話題になる為政者も珍しいが、北朝鮮専門サイト「デイリーNK」の高英起・東京支局長は「面白い髪型だから話題になるのでしょうが、私生活の話が出てこないからこそ、色々な噂が立つ。それが北朝鮮です」という。アバンギャルドな髪型の真相やいかに。
※週刊ポスト2015年7月10日号