「果たして8月5日までスカイマークの資金繰りが持つのかどうか……。場合によっては、再破綻ということも充分にあり得る」(メガバンクの経営中枢幹部)
ほぼ決着がついたと見られたスカイマークの経営再建問題が、ここへ来て風雲急を告げている。
それというのも6月15日、東京地裁が民事再生作業を進めるスカイマーク側が提出していた再生計画案に加えて、大口債権者の米リース会社、イントレピッド社が提出した計画案についても、8月5日に予定されている債権者集会で賛否投票を行うことを決定したからだ。
「この種の債権者集会で、2つの案の賛否が問われるなんてことは、まさに異例中の異例。こんな状況下では、出資を予定する銀行もファイナンスには応じられないのではないか」(前述のメガバンク経営中枢幹部)
去る1月28日の民事再生法の申請以降、スカイマークの資金繰りを支えてきたのは、経営再生を主導する独立系投資ファンドのインテグラルから投入された90億円の資金(最終的に資本金に充当)と日々入ってくる売上金、いわゆる“日銭”だ。
「それでも不足した場合には、三井住友銀行と日本政策投資銀行が、『DIPファイナンス』の形で運転資金を融資することを検討していた。ところがこんな状況では銀行としては動けないのではないか」(関係者)
ここで言う「DIPファイナンス」とは、民事再生法等の申し立てから計画認可までの期間の運転資金を調達する手法だ。今後のスカイマークの資金繰りには要警戒と言えよう。
●文/須田慎一郎(ジャーナリスト)
※SAPIO2015年8月号