「正直、自信はない。うれしいけれど不安もあります」
6月20日、ピース・又吉直樹(35才)は著書『火花』が芥川賞候補に挙がった感想を聞かれ、複雑な胸中を明かした。それでも、現在42万部の大ヒットとなっている同作を受賞最有力に推す声は少なくない。そして、又吉の人気もあっていま読書が改めて注目を集めている。
6月18日に放送された『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の読書芸人特集で、又吉は書店の歩き方を披露した。まずは新刊コーナーへ直行し気持ちを高める。そして、本選びで参考にするのが帯。好きな作家がすすめている本だと「読んでみよう」と思うのだという。「コレやな」といった運命の一冊に出合う瞬間のために、書店に行くといっても過言ではないようだ。
普段はテンション低めの又吉が目を輝かせて語る書店。しかし、2000年に全国に約2万1000店あった書店は、現在約1万4000店にまで減少している。
また、インターネットの普及もあって“読書離れ”が進み、文化庁の2014年の調査では、日本人の47.5%がコミックや雑誌を除く書籍を1か月に1冊も読まないという結果が出たのだ。『「本屋」は死なない』(新潮社刊)の著者・石橋毅史氏はこう語る。
「書店のいちばんの魅力は、多様性があることです。面白いとか、興味をもったことがなかった分野の本がぱっと目につき、新しい発見ができる。これは、コンビニやネット購入ではできません。確かに書店は減っていますが、なくなってはいけないものなんです」
最近は読書をライフスタイルの一環として考える書店も増えてきている。
東京・下北沢に2012年に誕生した『B&B』は夜12時までの営業で、ビール片手に書店を楽しめる。2011年にオープンした『代官山 蔦屋書店』には、各ジャンルに精通したブックコンシェルジュが常駐し、目的の本のほか「今日は泣きたい」といったその日の気分に合わせて本を紹介してくれる。
また今年5月にオープンした『二子玉川 蔦屋家電』は、家電やオーディオ機器、モバイル機器のほかに、家具や植物、文具が揃い、それぞれのジャンルに合った本が売り場の近くに並んでいる。読書離れが叫ばれているが、そんな書店は平日も多くの人でにぎわっているのだ。
もちろん芸能人だって例外ではない。又吉のように書店の虜になっている芸能人は多数。これを読めば、きっとあなたもこう思うはず。
「そうだ、書店へ行こう」
※女性セブン2015年7月9・16日号