今年15周年を迎えた業界最大手のSEXグッズ販売店「大人のデパート エムズ」は関東を中心に9店舗を展開。特に秋葉原店は、JRの駅から徒歩30秒の好立地にあり、地下1階から地上6階で1万種類の商品を扱う。
今でこそ女性客が3割を占め、外国人観光客の人気スポットになったが、15年前、「エムズ」の1号店がオープンした時代はSEXグッズは一部マニアの愛用品。SEXグッズ販売店といえば路地裏にあり、入りづらい雰囲気だった。
そのイメージを一新しようと、「エムズ」は飲食店やカラオケ店が並ぶ上野・アメヤ横丁に店を構えたが、客はほとんど来なかった。そこで、入店しやすい雰囲気を作るため、入り口に一般映画の中古ソフトを置いてワゴンセールを行ない、SEXグッズは店の奥に置いた。この戦略が見事に当たり、売り上げが伸びていった。
SEXグッズの大きな転機は2004年。『タモリ倶楽部』や『出没!アド街ック天国』などのテレビ番組で「エムズ」が紹介されると、人気度が飛躍的に上がり、客層が一気に広がった。
「衣食住と同じように、性は人が生きていく上で必要な要素。だからSEXグッズをもっと身近にしたい」(中田義実社長)
現在は通販でも商品が手軽に購入できるほか、海外出店も計画中。SEXグッズ市場はますます拡大している。
※週刊ポスト2015年7月17・24日号