ギリシャ危機をきっかけに、反騰してきた中国株が急落、中国バブルが崩壊かとの見方も出てきた。崩壊となれば世界恐慌すら引き起こしかねない。ただし、“お先真っ暗”と悲観するだけでは日本経済も国民も世界で勝ち残ることはできないだろう。
資本主義のルールを無視する中国は世界経済を歪めてきた。2008年のリーマンショックから中国経済がいち早く回復したのは、政府の過剰なまでの景気対策があったからだ。それが近年の歪んだチャイナ・バブルにつながっている。
中国経済の崩壊は、その病巣を取り除くきっかけになる。混乱の先には世界経済の健全化という光明が待ち受けていることをいち早く見抜くことができるかどうかが投資の勝敗を分ける。
「中国のバブル崩壊は史上最大の買いのチャンスでもあります」
そう語るのはカブ知恵代表の藤井英敏氏だ。
「今回の中国の株価暴落を受けて世界中の市場が敏感に反応している。万が一中国経済がクラッシュすることを恐れて、9月には金融引き締め(利上げ)に転じようとしていた米国は利上げを12月まで延期するのではないかというのが市場の観測です。
日本でも異次元の金融緩和を続けている日銀はさらなる緩和を進めて円を刷りまくるでしょう。ただ、リーマンショックではニューヨーク市場の株価は42%も下落し、失業率はハネ上がったが、株価はわずか2年2か月で元の水準に戻った。
そうした過去の事例から考えると同時株安の一時的な下がり幅が深いほど、大きな利益をあげる好機になる。実は多くの投資家が今回の株価急落はチャンスと見ています。投げ売りが進んだ今こそ、堅いといわれる日本株を仕込む絶好のタイミングといえます」
※週刊ポスト2015年7月31日号