又吉の芥川賞受賞でピースの今後は?
芥川賞受賞で一躍時の人となったピース・又吉直樹(35)。受賞作『火花』の累計発行部数が124万部に達するなど、業界の“又吉特需”はまだまだ続きそうだが、この快挙で息を吹き返しているのが、相方の綾部祐二(37)である。
今年に入り、又吉が小説家デビューを果たす一方で、綾部は仕事が激減。このまま仕事が減り続ければ引退も視野に入れていることをドランクドラゴンの鈴木拓に漏らすなど、ピースの“コンビ内格差”は笑えないレベルまで進展していた。
又吉の芥川賞受賞で綾部の悩みはますます深くなるのだろうか…と思われるところだったが、実際のところ、このトピックにうまく便乗している。「いろいろストレスがたまっている」「(又吉に借りた2万円を)もう返さなくていいんじゃないですかね」といった格差発言もマスコミに取り上げられた。
お笑い評論家のラリー遠田さんも、綾部の対応は見事だったと称賛する。
「ピースが出てきた頃、イケメンキャラ、しっかり者キャラとして売りだしていた綾部さんは、先輩芸人から熟女好き、変態キャラであることをイジられましたが、それを受け止めてネタに変えていった経験があります。今回も又吉さんを『先生』と呼んでへりくだったり、相方の成功に嫉妬したりするキャラがウケています。もともと器用で何でもできる芸人さんなので、格差をうまく逆手に取ってネタに変えられたんだと思います」
今の綾部は、笑えない格差が「笑うしかない格差」にまで広がったことで、むしろ吹っ切れた感すらある。それは又吉が芥川賞候補にノミネートされた時から始まっていた。DJ和のニューミニアルバム『サマパ!summer party mixed by DJ和』のCMに起用された綾部は、ビキニギャルに囲まれプールサイドで大はしゃぎ。CMでは格差ネタも盛り込まれていたが、「ここ数年で一番最高なお仕事でした」と大満足。
「又吉さんのピンの仕事はこれからもっと増えると思います。でもお笑いコンビというのは、互いに刺激し合うライバル関係でもあります。片方が売れれば、相乗効果でもう片方にもチャンスが回ってきます。又吉さんには芥川賞作家という肩書きが一生付いてくるので、長い目で見れば綾部さんにももっと売れるチャンスがあるということです。相方が芥川賞作家なら、その逆を行って、どんどん薄っぺらいキャラになっていくとか。”マイナスキャラ”を受け入れてきた綾部さんにとって、今は大きなチャンスが訪れているといえます」(ラリー遠田さん)
引退まで考えていた綾部も、相方のおかげで一生食いっぱぐれない切符を手にしたことになる。それをどう活かすかは今後の綾部次第だが、芥川賞効果でおいしい思いをしていることは間違いない。
「これまでピースは、“暗い又吉”、“明るい綾部”という対比がネタになっていましたが、“売れる又吉”と“嫉妬する綾部”というキャラの対比ができるようになりました。お笑いコンビとして武器が一個増えたといっていいでしょうね」(ラリー遠田さん)
ピースの二人からしばらく目が離せそうにない。