武井咲主演の連続ドラマ『エイジハラスメント』(テレビ朝日系、毎週木曜日午後9時~)は、理不尽なハラスメントが横行する帝都物産総務部に配属された新入社員・吉井英美里(武井咲)が、そのハラスメントに立ち向かっていくという物語。「五寸釘ぶち込むぞ」というインパクト大な決め台詞も気になるこのドラマの見どころを、ゼネラルプロデューサーの内山聖子さんに聞いた。
──そもそも『エイジハラスメント』をドラマ化しようと思ったのはどうしてですか?
内山:もともとは武井咲さん主演でドラマの企画をしていたんです。それで、いつもは刑事とかお天気お姉さんとかスペシャリストの役柄が多かったんですが、もうちょっと彼女の本性が見えるような役を演じてほしいなっていう気持ちがあったんです。
そこで、普通のOLの役がいいかなということで、内館牧子さんに相談したところ、内館さんが『エイジハラスメント』という本を書かれていて、これだ!ということになりました。今は、会社だけじゃなくて、社会全体で“ハラスメント”が多い時代ですが、武井さんにはその中心に立っていただこうと。
──原作では主に“おばさん”と呼ばれる世代の女性に対するハラスメントが描かれていますが、ドラマではそれ以外のハラスメントも登場します。
内山:特に最近は、いろいろな形でのハラスメントが話題になっていますよね。それこそ、夫による妻へのモラルハラスメントなども含めて。なので、最近の状況を踏まえた上で、意識していろいろなハラスメントを描いています。
そして、そのハラスメントの渦の中に、若い武井さんが入っていって、怒りを露わにしていくところはかなりの見どころですね。武井さんが“くそ上司!”と怒鳴っていますからね。
──決め台詞の「五寸釘ぶち込むぞ」も、かなりのインパクトがありますね。
内山:これは内館さんが考えた言葉なんですが、もしかしたら武井さんは五寸釘の意味がわからなかったかもしれないですね(笑い)。設定としては、昔のサラリーマンが上司からガンガンやられている時に「畜生、五寸釘ぶちこむぞ」とつぶやきながら我慢していたというものなんです。武井さん演じる吉井英美里は、お父さんからつらいことがあっても「五寸釘ぶち込むぞ」と呪文のように唱えて耐えなさいと教わっている。まあでも、第1話で耐えられずにキレてしまったんですが(笑い)。
内館さんの脚本の面白いところは、社会的な弱者を主人公として描くところにあると思います。弁護士でも、華やかなアナウンサーでもなく、いつクビを切られてもおかしくないOLが、上司と闘っていく姿は、やはり大きな見どころです。
──ちなみに、撮影現場の様子はどうですか?
内山:女性キャストよりも、男性キャストの方が群れていますね。瀬戸康史さんとか、要潤さん、吹越満さん、竹中直人さんなんかは、仲がよくてずっとキャッキャキャッキャしゃべってます。一方で、武井さんや稲森いずみさんは、1人で台本を読み込んでいたりしますね。これが今の時代なのかもしれませんが、女性のほうが自分の足で立っているのかもしれませんね(笑い)。