ナインティナインの岡村隆史、矢部浩之が総合司会を務め、サポート役にSMAPの中居正広を起用。さらに、明石家さんま、AKB48、EXILEらが次々に登場する“超豪華布陣”で臨んだフジテレビ『FNS 27時間テレビ2015』の平均視聴率は10.4%。1987年に番組がスタートして以降、歴代ワースト3という大惨敗を喫した。番組スタッフが自嘲気味に振り返る。
「番組中、現場にいたスタッフは皆、“このままだとヤバい”と焦っていた。台本は段取りを書いただけで、あってないようなもの。それが一番悪いほうに出て、ダラダラと間延びした進行で最後まで進んだ。唯一の救いがガチ企画だったオアシズ・大久保佳代子さんによる『88キロマラソン完走』だけというのはバラエティとして完全に失敗です」
番組の総指揮を執ったのは、フジ社内で「バラエティの帝王」と呼ばれるカリスマプロデューサーのK氏だった。総合司会の大役に抜擢されたナインティナインを全国区のタレントへと押し上げた人気バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)を約20年前に立ち上げた人物だ。前出のスタッフが続ける。
「番組の方向性やキャスティングは、Kさんの意向が反映されましたが、企画段階からすでに首を傾げざるを得ないものも多かった。番組ディレクターがバンジージャンプに挑んだり、岡村さんが60分間延々とダンスを踊ったりといった内輪ウケや楽屋オチを狙った企画はその典型。20年前なら視聴者も面白がってくれたかもしれませんが、いまや悪ふざけにしか見られない。でもKさんは“カリスマ演出家”なので誰も意見できなかった」
※週刊ポスト2015年8月14日号