「幼い頃から霊が見えるんですが、首を絞められたり、窓から落とされそうになったりして、怪我をしたことも。それこそ殺されそうになったこともあって、大人になった今でも、怖いものは怖い」。ある40代の主婦は本誌記者にそう話してくれた。市井の人たちが明かす恐怖体験の数々は、暑さを忘れさせてなお余りあるほどの生々しさがある。ここでは、39才女性看護師の話を紹介する。
* * *
看護師をしています。つい先日、深夜の廊下に小学校低学年くらいの赤い帽子をかぶった男の子が立っていたんです。
「こんな時間になぜ?」
不思議に思いつつも、その時はすぐそばの部屋の患者が亡くなりそうでバタバタしていて、声をかける暇がありませんでした。
しかし、どうしても気になり、落ち着いた頃にその場に戻ってみましたが、男の子はいませんでした。調べてみると、その階に入院している子供はいませんでした。このことを同僚に話すと、
「その男の子なら、私も見たことあるよ」
という人が続々と出てきたのです。さらに話をつき合わせていくと、患者が亡くなるタイミングで、男の子が現れることがわかりました。それからしばらくして、ある女性患者の部屋に行った時のこと。
「あら? 今、男の子と話していたのに、どこに行ったのかしら。赤い帽子の子でね…」
そう言って首をかしげているのです。私が部屋に入った時には、その患者以外、誰もいませんでしたし、誰ともすれ違っていません。私の脳裏には、例の男の子の姿がよぎりました。
そして数時間後、その女性患者は容体が急変。やはり、亡くなってしまいました。
※女性セブン2015年9月3日号