東海大相模の45年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた高校野球夏の甲子園大会。今回もっとも注目を集めたのは、早稲田実業の1年生、清宮幸太郎だろう。
甲子園で2本の本塁打を放ったその打撃はもちろんのこと、入学直後の公式戦で、テレビカメラ6台に囲まれても「こういう環境でやっていかなきゃいけない人間だと思っている」と話したり、「(高校通算本塁打は)80本くらい打ちたい」と豪語するなど、その“ビッグマウス”にも注目が集まった。
振り返れば、今でも語り継がれる甲子園の大スターであるKK(PL学園・清原和博&桑田真澄)コンビも、1年生のときから自信に満ちた発言をしていた。1983年、PL学園の1年生エース・桑田は、決勝で横浜商業を完封すると、試合後にこう話した。
「ランナーが出ても、ちっとも点を取られる気がしなかった。池田高校戦で、なんか自信がついちゃったんです」
準決勝の池田戦では下馬評を覆し、準々決勝までの4試合で30得点だった『やまびこ打線』を完封。大会屈指の右腕・水野雄仁からホームランを放つワンマンショーを演じていた。同じく1年生で、4番を打ち、決勝戦でホームランを放った清原も、当時こう語っている。
「決勝戦なんていうプレッシャーは、全然なかった。ボクはお客さんがいっぱい入った方が楽しいんです。3日間超満員でしょう。気持ちよかったなあ」
自信に満ちていた桑田、緊張とは程遠かった清原。KKコンビは、1年のときから発言も別格だったのである。
それでは今年の甲子園での清宮の発言はどうだったのか。初戦、6対0で今治西を下した試合後、KKの2人を彷彿とさせるような発言をしていた。
「(ヒット)1本くらい打たないと示しがつかない」
「(緊張したかと聞かれ)そりゃあ、ないっす」
世間からすれば“ビッグマウス”に聞こえるかもしれないが、本人からすれば思ったことを口にしているだけだろう。清宮は、心臓の強さでは既に大スターであるKKコンビに並んでいるようだ。