諸外国と同様、韓国では憲法で言論と表現、出版の自由を保障している。だが、「大統領に対する名誉毀損」の嫌疑で日本人記者を8か月も出国禁止にする国に、言論の自由があるとは到底思えない。
韓国では親日的な発言をすることすら御法度とされている。国民が何より恐れているのは「親日派のレッテルを貼られること」だと在韓ジャーナリストの藤原修平氏は語る。
「慰安婦の強制連行を否定したソウル大の李栄薫(イヨンフン)・教授は『民族の裏切り者』として慰安婦の前で土下座を強要され、日本の植民地支配を肯定的に論じた同大の安秉直(アンビョンジク)・教授は公衆の面前で殴る蹴るの集団暴行を受けました。
たとえ史実に基づいた客観的評価であっても、ひとたび韓国人の“反日センサー”に触れると理不尽な社会的制裁を免れないのが韓国の実情です」
また、韓国軍のベトナム戦争における蛮行については“韓国最大のタブー”とされ、それを報じた新聞社が極右団体の襲撃を受けたこともある。
※SAPIO2015年9月号