がんリスクに大きく作用すると言われているのが食生活。普段の食の“選択”でリスクを軽減することもできる。
たとえば、麺類。山菜うどんとトマトソースのパスタ。どっちががんリスクを高めるのだろうか? お答えはうどんだ。予防医療にも力を入れ、著書に『がんにならない人の50の習慣』(幻冬舎)などがある、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック院長・平島徹朗さんはこう解説する。
「胃がんリスクを高めるものに、塩分があります。うどんとパスタ、各1食分の糖質は、それぞれ52g、55.6gとほぼ変わりません。うどんはつゆと合わせて約6gもの塩分が含まれていますが、パスタは塩分がゼロなので、ソースの塩分(約3g程度)のみ。また、トマトには抗酸化作用を持つ成分リコピンが含まれるため、がん予防も期待できます」
体によいといわれるワイン。では、胃がん予防につながるのは、白ワインではなく、赤ワインだ。“老化による免疫力の低下”ががんを進行させるという観点から、免疫療法に力を入れている、横浜クリニック院長、日本抗加齢医学会専門医の青木晃さんはこう話す。
「赤ワインに含まれるポリフェノールには、胃がんの原因となるピロリ菌を除菌する働きがあります。一方、リースリングなどの辛口白ワインは、リンゴ酸などの有機酸が豊富で、腸内の悪玉菌を抑える作用が強く、大腸がんのリスクを下げるといわれています。どちらも女性の適量は約2杯。それ以上は飲みすぎによるがんリスクを高めますのでご注意を」
手軽に食べるピーナッツ。バターピーナッツと殻つきの落花生では、どっちががん予防につながるの? それは落花生。
「ナッツ類に付着するかびには、アラフトキシンという発がん物質が含まれることが多いので、殻でガードされた落花生のほうがリスクは下がります。また、茶色い薄皮には抗酸化作用があるポリフェノールの一種、レスベラトロールが豊富です。渋いと敬遠せず、がん予防につながると思って、積極的に薄皮も食べましょう」(青木さん)
※女性セブン2015年9月10日号