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郵政上場 「官製相場」批判出ても大相場演出が政府至上命題

 この秋、日本株市場は大一番を迎える。11月4日に予定されている日本郵政グループ3社(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)の上場だ。もともと政府が保有してきた郵政株を放出し、そこで得られる利益を復興予算に当てる目算がある以上、絶対に失敗は許されない。

 上場前後で市場が上昇トレンドにあれば、さらに郵政株上場が呼び水となり、株式市場全体を押し上げられる。しかし下降トレンドにあれば、下がった株価全体に郵政株も押し下げられる。

 そうならないために、たとえ「官製相場」と批判されようとも、郵政株の上場を成功させるために株価を押し上げ、大相場を演出することは政府の至上命題となっているのである。

 それをサポートする資金は潤沢だ。公務員らが加入する3共済(国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済)が運用資産を日本株にシフトしており、10月から本格始動する。その買い余力は2兆円に上る。

 それでも株価が暴落したり、円高に振れたとしても、二の矢がある。日銀のさらなる追加金融緩和、いわゆる「黒田バズーカ第3弾」である。2013年4月と昨年10月に放たれた過去の黒田バズーカはいずれも「円安→株高」の流れを生み出し、一定の効果をあげてきた。

「9月中には、大方の予想通り安保法案が参院で採決されるでしょう。その後、政府の関心は景気対策に向かう。それは空売りを仕掛けたヘッジファンドもわかっているので、買い材料が出てくることを織り込んで、その前に買い戻しに走ることが予想されます」(ケイ・アセット代表の平野憲一氏)

※週刊ポスト2015年9月11日号

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