国内

山口組分裂問題 半グレ同士の対立をもたらす危険性指摘される

 日本中の注目の的となっている山口組の分裂問題。8月27日、「山健組」を中心に13団体が六代目山口組を離脱することが決定的になった。離脱グループの構成員数は組全体の3分の1近くに上り、今後、新組織を結成すると見られている。

 六代目山口組はそれらの団体に対し、「絶縁」や「破門」の処分を出した。特に重い処分が、山健組など5団体が受けた「絶縁」だ。暴力団の事情に詳しいジャーナリストの伊藤博敏氏が解説する。

「絶縁とは、六代目山口組から“今後一切、ヤクザを名乗って活動してはいけない”と宣告されることです。ところが、山口組の主流をなしていた山健組は“兄弟盃”を交わすなどして山口組以外の暴力団とも友好的につきあってきた。たとえば、東京・板橋に拠点を置く有力団体は、山口組に次ぐ規模を持つ『住吉会』の傘下組織だが、山健組と近い。福岡・大牟田に拠点を置く有力団体もそう。そうした全国の団体が、これまで通りに山健組とつきあいを続けることは六代目山口組にとっては許されない。彼らも六代目山口組と敵対することになります」

 日本最大の山口組の分裂は、他団体をも二分する動きに繋がりかねないという。影響はそれだけではない。

「東京の西麻布や六本木などの繁華街では、“半グレ”と呼ばれる不良グループが過去に何度もグループ同士で凄惨な暴力事件を起こしています。彼らは暴力団の影響下にあるので、ヤクザが抗争を始めれば、半グレ連中同士も対立を始める可能性があります」(伊藤氏)

 日本全国に広がる抗争の火種――それが山口組分裂がここまで注目される理由だ。

 過去、抗争事件には多くの一般人が巻き込まれている。1984年から1989年に山口組の一部が分裂して起こった「山一抗争」の時には、尼崎市のスナックでバンド演奏のアルバイトをしていた19才女性が流れ弾に当たって亡くなる事件も起きた。

 当時に比べると警察の取り締まりは厳しくなっているが、予断は許さない。特に繁華街では事件の危険性が高まっている。

 過去の事件をみると、事件が頻発しているのは暴力団事務所や幹部自宅やその周辺の路上。クラブやスナックなどのネオン街も危ない。さらに、意外に危険な場所も浮かび上がってきた。

「事件が起きやすいのは、暴力団幹部が頻繁に訪れている“行きつけ”の場所です。たとえば、繁華街に近いシティーホテルやビジネスホテル。ヤクザの組や幹部にはお気に入りのホテルがあり、宿泊や会合は同じホテルで行うことが多い。過去には、山口組の最高幹部が神戸市内のシティーホテルのティーラウンジで銃撃され、一般人が巻き添えになって亡くなった事件も起きました」(伊藤氏)

 繁華街の中の老舗喫茶店も危ない。たばこを吸えたり、ソファがあるなど組員の集合場所になりがちだ。繁華街にあるファミレスが行きつけの打ち合わせ場所になっていることもある。

「かつて山口組の竹中正久四代目組長は愛人宅のマンションに入るところを暗殺されました。その他、持病の治療のために通っている病院の駐車場や出入り口なども待ち伏せされやすく、過去に事件が起きています」(伊藤氏)

※女性セブン2015年9月17日号

関連記事

トピックス

現地のパパラッチに激写された水原一平被告(BACKGRID/アフロ)
《妻との大量買い出し姿をキャッチ》水原一平被告、大谷翔平の「50-50」達成目前で際立つ“もったいなさ”と判決言い渡し前の“いい暮らし”
NEWSポストセブン
森本レオ(時事通信フォト)
《表舞台から消えた森本レオの現在》元女優妻との別居生活50年、本人が明かした近況「お金を使わず早く死んでいくのが人生のテーマ」
NEWSポストセブン
昭和を代表する名優、若山富三郎の長男で俳優の若山騎一郎
《舞台復帰》若山騎一郎が語る父・若山富三郎と叔父・勝新太郎の破天荒な素顔「親父が亡くなってからは優しかったけど…」
NEWSポストセブン
かつて不倫で注目を集めた東出昌大が松本花林と再婚(時事通信フォト)
《東出昌大に急接近の新妻・松本花林》一定の距離感保った女優仲間3人の“暗黙の了解”が崩れた「6月事件」
NEWSポストセブン
打撃好調な一方で懸念点も(時事通信フォト)
大谷翔平、ひと月ごとに得点圏打率がアップダウン “法則通り”なら9月は好調でも、ポストシーズンは “チャンスに弱い”が再発か
週刊ポスト
撮影現場の差し入れは“ゆで卵マシン”
「たんぱく質が大事だからね」小栗旬、Netflixでの主演ドラマ撮影現場の差し入れは“ゆで卵マシン” オリジナルの卵サンドも振る舞う
女性セブン
会合を終えた小泉純一郎氏と、武部勤。元幹事長(左)、山崎拓・元自民党副総裁(右)ら小泉政権を支えた重鎮OBたち(5月14日)
【小泉進次郎氏の総裁選出馬】「50歳までは出馬禁止」と語っていた父・純一郎氏の心境が変化した森元首相らとの会合 同席した田原総一朗氏が明かす「内幕」
週刊ポスト
岡田将生の沼にどっぷりハマった魅力とは?
《『虎に翼』で航一さん役を好演》岡田将生のあふれる魅力 約20年で「選ばれる俳優」の筆頭へと飛躍
女性セブン
連ドラの主演を2クール連続で務める松本若菜
【まさに“代打の女神さま”】松本若菜、“別の女優が急きょ降板”で10月ドラマで2クール連続主演 『西園寺さん』も企画段階では違う大物女優が主演の予定だった
女性セブン
33年ぶりに唐沢寿明が鈴木保奈美と共演する
【地上波ドラマでは『愛という名のもとに』以来33年ぶり】唐沢寿明、2025年1月期で4年ぶり民放連ドラ主演、共演は鈴木保奈美 テレ朝は大きな期待
女性セブン
NHKの山内泉アナ
《極秘結婚していたNHK山内泉アナ》ギャップ感あふれるボーイッシュ私服は約9000円のオシャレブランド お相手は慶応同級生…大学時代から培った「ビビットな感性」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 小泉純一郎と滝クリの自民党総裁選ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小泉純一郎と滝クリの自民党総裁選ほか
NEWSポストセブン