2015年版「少子化社会対策白書」によると、女性の平均初婚年齢は2013年時点で29.3歳と、1980年からの30年間あまりで約4歳上昇するなど、日本人の晩婚化が加速している。「若者の結婚離れ」の大きな要因として、「出会いがない」ことなどが挙げられるが、それとは別にその先にある「結婚式」を面倒くさいと感じている人も少なくないようだ。この春、結婚式を挙げたばかりの女性Aさん(26歳)が語る。
「今年の春に会社の同僚と結婚式を挙げました。驚いたのが、私自身は結婚式を楽しみにしていたのですが、職場の同僚の話を聞くと、どうもそれが少数派のようだということ。
同期で女子会をやった際に、周りの女子が『式は面倒くさいから挙げたくない』、『ウエディングドレスなんて着たくない、お金がかかるだけ』と言っていたんです。私は結婚式やウエディングドレスに憧れがあったんですが、そうじゃない子も多いのですね」(Aさん)
こうした声は女性だけでなく、男性からも出ている。現在は独身の男性Bさん(25歳・ウェブ制作会社勤務)は職場の同僚の様子をこう語る。
「同期の結婚ラッシュが続いているのですが、皆がこぞって『式は面倒くさい』、『そのお金があれば別のことに使いたい』、『二次会のパーティーだけで良い』と言っていました。親の希望としては会社の上司などを招待して、しっかりと披露宴をしたいのだろうと思うのですが、僕らの世代にとってはそれがスタンダードではありません。
Facebookなどで豪華な結婚式の様子を報告している人の写真を見ると、それと張り合っても勝てないし、無制限にお金がかかる、と自制心も生まれます。お金をかけた豪華な結婚式が金銭的に無理だとしたら、地味婚と思われないように海外で身内だけで挙げたいと思う。ウエディング自体が面倒くさいと思うのは、世代感覚として共通しているんじゃないでしょうか」(Bさん)
時代感覚や世代特有の金銭感覚に照らし合わせれば「結婚」にそれほど大きなコストをかけないという選択肢も合理的なものなのかもしれない。