約1年間続いた上昇基調から一転、日本株式市場は「底が抜けた」と形容されるほど急落し、日々乱高下を繰り返している。プロの投資家でも先を見通せないそんな不安定な市場において、数日で37億円の富を築いた日本人がいた。一部海外メディアを除き取材に応じなかった彼に週刊ポストが接触に成功。同誌9月7日発売号でその投資法などを報じている。
〈今日は1時間で12億増えたよ!!!!〉──8月24日、日経平均株価は前週末と比べて895円も下落し、2年3か月ぶりの下げ幅となった。同日のニューヨークダウ平均も一時1000ドル超の下落、欧州でもドイツ株式指数が8%も急落した。
中国を震源地とする世界同時株安で、世界中の投資家たちが阿鼻叫喚の地獄を見る中、この男性はツイッターで、冒頭のコメントを発していた。
個人投資家・cis(しす)氏──30代後半の同氏は、激しく乱高下した8月下旬の相場を読み切り、24日から25日にかけて37億円もの利益を獲得。彼の資産は200億円を超えた。同誌の取材に対して、cis氏はこう語っている。
「僕は、こういう乱高下する“鉄火場”を得意としているんです。今回はたまたま37億円を得られたけど、ギリシャ危機では7億円損をしました。値動きが荒いということは、それほどのリスクもある」
彼の相場観は至ってシンプルだという。
「基本的には『強いから買う、弱いから売る』というスタンスです。それは市場の需要と供給と値動きだけを見て判断します」
彼は今後、どのような相場観で投資に挑むのか。
「長期的な将来予測はしない。『強いものを買う、弱いものを売る』という基本スタンスを踏襲して、トレンドに乗るだけです。ただ、超短期ではアメリカを先頭にした暴落が起きたらいいなとは思っています。最近、非常に弱いチャートの動きをしているし、8月末にいったん反発したもののジリジリと下がっている。まだ暴落があるかな、と思っています。まァ、僕はすぐに考えが変わるので(笑い)」