南青山の会員制バーでの布袋寅泰との深夜合流を『女性セブン』に報じられた安倍首相の妻・アッキーこと安倍昭恵さん。この他にも「アベ政権反対」という看板を掲げるバーの経営者男性に心酔するなど、現役総理の妻としては奔放すぎる生活を送る彼女だが、「総理夫人の不倫疑惑」は冗談としても、昭恵夫人が夜な夜な酒席に出掛け、自分と真逆の考え方に染まっていくことを安倍首相はどう思っているのだろうか。安倍家を知る人物が語る。
「政治的な意見を口にすることに注文をつけるつもりはないですが、今回のような泥酔は自省してほしいと思っているようです。とはいえ、直接言うと『じゃあ、家を出る』と言い出しかねないので周囲に愚痴めいた文句を言っている(苦笑)」
国会では野党の質問に野次を飛ばし、外交では中国や韓国には強気の姿勢を貫く「攻撃的な総理」だが、家庭内では妻に頭が上がらないようだ。しかし、そうした“外弁慶”が「高度な政治的判断」ではないかとの見方もある。安倍首相に近い自民党中堅が語る。
「総理はアッキーの“野党発言”は黙認というより、歓迎しているのではないか。憲法改正や安保法制は、石原慎太郎さん(前衆院議員)のような“保守オヤジ”の印象を国民、特に女性有権者に与えかねない。
だが、夫を批判する発言を許容することで“安倍さんは奥さんに頭が上がらない”というマイルドイメージを出すことができる。夫人がその役割を分かってやっているとまでは思えないが、彼女の言動は結果的にプラスになっていると思う」
近年の「アクの強い総理夫人」といえば、鳩山由紀夫・首相の幸夫人、菅直人・首相の伸子夫人らが頭に浮かぶが、「幸夫人は自由奔放な性格で、伸子夫人は夫の尻を叩くタイプだったが、いずれも夫婦の政治的志向は足並みを揃えていた。ただし、お二人とも積極的に表に出すぎた」(政治評論家・有馬晴海氏)といった評価が多い。そうした前例を踏まえての戦略だとすれば、“家庭内アベノミクス”は大成功しているといえる。
だが、「それも時と場合による」と顔を曇らせる官邸スタッフもいる。
「政権発足以来最大のピンチといえる現状で、仮に夫人が安保法制に疑問の声を上げるようなことがあれば、やや持ち直した支持率にも悪影響は間違いない。
それに総理のコアな支持層は、やはり“妻は家庭を守るべき”という考え方の人が多い。タカ派姿勢を封印した戦後70年談話の時にもそうした人々が反発した。特に今回の“首筋キス事件”を知った地元では、“家長としての威厳がない晋三さんに、国を任せられるか心配だ”という古参支持者の声もあるようだ」
※週刊ポスト2015年9月18日号