東京都港区虎ノ門の弁護士事務所で元プロボクサーの小番一騎(こつがいいっき)容疑者(24才)が男性弁護士(42才)を殴った上、枝切りばさみで局部を切り取った事件。捜査関係者などによると、この事務所に事務員として勤務していた小番容疑者の妻が男性弁護士と深い仲になり、それを知った小番容疑者が逆上して凶行に至ったという。
「男性弁護士との関係を疑われた妻は、“酒を飲まされ性行為を強要された”と虚偽の言い逃れをした、といわれています。そしてこれを信じた小番容疑者が怒りのあまり、残忍な犯行に至ったとみられているんです」(全国紙社会部記者)
つまり、女性の嘘が大きな引き金となったこの事件。『自分のついた嘘を真実だと思い込む人』(朝日新書)の著者で精神科医の片田珠美さんは、「嘘には2種類ある」と解説する。
「ひとつは不作為の嘘。これは、あえて言わない嘘のことです。ふたつめは、隠していたことがバレそうになり、作り話をする嘘。報道を見るかぎりでは、小番容疑者の妻は、隠していた不倫関係が夫にバレそうになり、自己正当化のため“弁護士にレイプされた”と作り話をした。2種類の嘘を両方ついたのです」
片田さんは「男性は女性よりだまされやすい」と続ける。
「女性より男性のほうが嘘に対する感度が低い。だからキャバクラなどでだまされやすいんです。誰かの言い分を信じることは、その人を信じている自分を信じることです。だまされる側には“自分の間違いを認めたくない”という心理が働く。小番容疑者も妻が自らの意志で自分を裏切ったという事実を認めたくなかったのでしょう」(片田さん)
いつの時代も、女性は弱い立場に置かれやすく、常に“嘘力”を鍛えられていると言うのは、コラムニストの犬山紙子さんだ。
「自立した女性は男性に媚びる必要はないけど、多くの女性は腕力もなく社会的な地位も男性より低いので、駆け引きや巧妙な嘘で自分の身を守る必要があります」
それだけに、男性の嘘とはそのレベルが格段に違うのだ。
「男の嘘は、飲み会を仕事だと偽る程度のかわいいもので、子供がお母さんに怒られないようにつくイメージです。妊娠してないのに不倫相手に“検査で陽性だった”と青白い表情で告げたり、彼の子供が欲しいから危険日なのに“今日は安全よ”と笑顔を見せるような、高度な駆け引きによる嘘、は男性には到底、見抜けないでしょうね(苦笑)」(犬山さん)
※女性セブン2015年9月25日号