年齢を経るにつれて体はたるみがちになるが、同様に、顔のたるみにも筋肉の衰えが関係している。『顔のたるみ研究所』(ドクターシーラボ)研究員の菊地恵さんはこう語る。
「しわを作りたくないと笑わない人がいますが、無表情でいるとかえって筋肉がやせてしまい、特に頬や輪郭のたるみが進行します」
筋肉が衰えると脂肪がつきやすくなり、皮膚は重力で下垂し、さらにたるむ。
やわらかいもの中心の噛まない食事が多いと、あごの筋肉は衰え、リンパの流れも停滞する。咀嚼回数が減ると、弱った筋肉が頬の脂肪を支えられなくなり、あごの下がたるむ原因に。そこで、顔層筋に詳しい「リニューイング・セラピー」代表・中辻正さんに、マッサージを教えてもらった。
「あご裏のたるみは、年齢を感じさせる“ぼんやりライン”の象徴。時間をかけてマッサージを行って」(中辻さん)
その具体的方法は、まずは両手の親指をあご下の骨に当て、あごを挟むように両手の人差し指、中指、薬指をあごの上に当てる。続いて、あごの肉が骨に沿って動くように左右に5回ずつ動かす。この時、肌をこすりすぎないように注意して。
あごの下に両手の親指を当てて内側に入れ込み、あご先から耳の下まで、内側をなぞるように、時間をかけてゆっくり5回動かす。このマッサージが口の開閉や舌を動かすときに働く、舌骨上筋群をもみほぐす。
また、デスクワークや目の酷使による肩こり、首のこりが気になる場合、頭皮にもこりがたまっている可能性が高い。顔とつながった頭皮の血行不良は、顔の皮膚や筋肉に影響を与え、たるみやしわを進行させる。予防&解消には、頭皮マッサージがオススメだ。
「頭全体をまんべんなく指圧しながらもみほぐすと、硬くなった筋肉を和らげ、疲労を取り除くことができます。頭皮の血行が促進されると顔全体のリフトアップやしわ対策にもなります。シャンプーのタイミングでマッサージして、痛気持ちいい程度に指圧して」(菊地さん)
ポニーテールなどのまとめ髪は、結んでいる時はたるみが改善されたように思えるが、実はNG。頻繁にきつく結んでいると、皮膚が伸びて、かえってたるみが進行してしまうのだ。
また、髪を洗うときは、髪にまんべんなくャンプーをつけた状態で、両手の指を開いて、髪の生え際に5本の指の腹を当て、髪の生え際→頭頂部→後頭部→うなじ首へと少しずつ指をずらしながら、1か所3秒くらいのペースで押していく。
そして、耳の裏側、髪の生え際あたりの皮膚を人差し指と中指の腹で痛気持ちいい程度に指圧しながら上下に5回程度動かす。そして、次に耳の上の側頭部まで指を押し上げる。
※女性セブン2015年10月1日号