小学校の運動会に異変が起きている。
「初めての運動会です。ボスママグループに入ったのはいいんですが、場所取りはどうも新米の私の役目みたい…はぁぁ…」(30才・私立小学校ママ)
「まさか自分の娘にこんなことを言われる日が来るなんて思ってもみませんでした…。娘は、代々医者の家に嫁いだんですが、初孫がこの春、有名な私立小学校に入学したんです。それで、運動会には当然行くつもりだったんですけど、娘が、“来るならうんときれいな格好してもらわなくっちゃ”って言うんですよ。私が行くのが恥ずかしい、という感じでものすごくショックでした。…でも、運動会ですよ?」(58才・主婦)
運動会と聞くと、これまではワクワク楽しい気持ちになっていたものだけれど、最近はママや先生、おばあちゃんまで、ユーウツな気持ちになっている様子。
それもそのはず、近頃の運動会は非常識であふれているのだから──。
「昔は場所取りなんてなくて。っていうかみんな立ち見だったでしょ? ドカって座って見ている人なんていなくて、自分の子供の出番の時に見えにくかったら、動いて見える位置に行ったりしていた」
とため息交じりに、私立小学校の教諭(57才)は言う。
「それが最近は、運動会近くになってくると、子供の連絡帳に“どのあたりに場所を取れば、うちの子がいちばんよく見えますか? こっそり教えてください”って書いてくる保護者がいる。あきれながらも“出し物によっても違いますし、どこからでも○○さんの頑張っている姿は確認できると思いますよ”って返事を書くんだけど、そしたら次の日に“判明したら、ご連絡ください”って連絡帳に書いてきて…。子供同士のトラブルを連絡した時に何のリアクションもなかったのに、ホント、あきれちゃいましたよ」
開門前から並ぶ人も多いが、他人まかせなこんなママも。
「例年、場所取りにアルバイトの大学生を雇って、朝5時前後から並ばせている保護者が必ず数人います」(41才・私立小学校関係者)
「いわゆるボスママはどこの学校にもいて、運動会はそのグループが活発に活動する時期ですね。開門時間の2時間以上前に来るのは当たり前ですけど、驚くのは、いつも使いっ走りみたいなママが動員されていること。ボスは開門されてから来て、当然のように最前列のいちばんいいところを確保していますよ。以前、ボスグループ以外のママが並んで、いい場所を確保したら、ボスママグループに押されたり前を遮られたりしてすごくイヤな思いをしたとか」(30才・公立小学校ママ)
もちろんトラブルになるケースも多い。
「10人以上はゆうに座れる大きなブルーシートを広げる人とトラブルになったことがあります。そこにはご両親とおじいちゃん、おばあちゃんの合計4人しか座っていなくて、子供が多いのかもしれないと思ったけど、一人っ子。じゃあどうしてそんなに大きなシートなのかというと、どうも自分の子供が出ていないときに横になりたかったようなんです。
とにかく大きいシートだから、歩いていたある生徒がシートを踏んづけちゃって、その保護者に怒られていた。ちょっと見ていられなくて、“少し場所を取りすぎだからですよ”と丁寧に言ってみたら、“ひと家族あたり、何平方メートルしか場所をとってはいけないって、決まっていました?”って逆ギレされて…今思い出しても腹が立ちます」(38才・私立小学校パパ)
※女性セブン2015年10月15日号