スポーツ

伝説3連発に岡田氏「掛布さんのはバックスクリーンでない」

 阪神タイガースは今年で球団創設80周年を迎えた。その80年の歴史の中でも阪神ファンの印象にとりわけ強く印象に残っているのが、1985年の「バックスクリーン3連発」だ。伝説の3連発を打った3人のうちの1人である岡田彰布氏が、3連発について振り返る。

 * * *
 1985年の日本一を振り返る時、象徴的なシーンとして登場するのが「バックスクリーン3連発」だと思う。これがあるから世間では阪神がぶっちぎりで優勝したぐらいに思われている。でもあれはまだ開幕から4試合目。その時は優勝なんかまったく意識してなかったわ。

 バックスクリーン3連発は狙って打ったとかいわれる。でもホームランだけならまだしも、バックスクリーン目がけてなんて狙って打てるもんやないよ。あの時にホームランを狙っていたら引っ張ってレフトスタンドに入っていたやろな。むしろ何も考えずに打ったから、センター方向へのホームランになったんちゃうかな。ただ手応えはあったね。打った瞬間、(スタンドまで)行ったと思った。

 打った球はスライダー。槙原(寛己)は右バッターにはスライダーが多かったから、狙い球は絞っていた。前を打っていたバースとカケさん(掛布雅之)への攻め方や配球はシーズン中もほとんど参考にしてなかった。2人は左バッターやし、打った球もストレートやったしね。

 カケさんは前日に1号を打っていたけど、オレもバースもまだ打ってなかった。さっきホームランは狙ってなかったというたけど、バースが打って、カケさんが打った時は、取り残されたくないから「オレも打ちたい」と思ったのは事実やね。

 バースの1発が逆転3ランで、球場全体がイケイケやったしな。阪神の球団記録としてはすでに4者連続ホームラン(中村勝広、掛布雅之、ラインバック、田淵幸一=1976年)があったわけで、3連発より、その年の第1号が出たことの方が嬉しかったね。

 ちなみにカケさんの打球は厳密にいうとバックスクリーンの左側の通路に入った。何かに当たってバックスクリーンにボールが跳ねたみたいやけどな(笑い)。

【プロフィール】岡田彰布(おかだ・あきのぶ):1957年、大阪府生まれ。早大卒業後、1979年ドラフト1位で阪神に入団。1980年代の中軸打者として活躍する。引退後は阪神、オリックスの監督・コーチを歴任。

※週刊ポスト2015年10月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン