人を食いちぎらんばかりの歯を持つどう猛な魚から、圧巻の巨大な古代魚まで──これはみなイギリスの生物学者ジェレミー・ウェイド氏が捕獲した「怪物魚」たちだ。
「ディスカバリーチャンネル」と「BBC(英国放送協会)」が共同制作するCSチャンネル「アニマルプラネット」で放送中の『怪物魚を追え!』は、ジェレミー氏が「人を襲った魚がいる」などの情報をもとに世界中の川や湖に赴き、そこに潜む巨大生物を捕らえる人気番組。「釣りバカ」として名高いジェレミー氏は、危険を顧みず、釣り竿や現地の伝統的漁法のみを用いて巨大魚を捕獲する。
たとえば写真で紹介したコンゴ川に生息する「ゴライアスタイガーフィッシュ」は、クロコダイルを襲うだけでなく、人間の体を食いちぎった記録もある非常にどう猛な魚だ。最大1.8メートル、45キロにまで成長。顎の関節が2つあるため口を大きく開けられる。村人の期待を一身に背負い川へ出たジェレミー氏は、数週間をかけて捕獲した。
ジェレミー氏のモットーは、魚を生きたまま自然に還す「キャッチ&リリース」だ。しかしこのときは捕獲の際のダメージで川に戻しても死んでしまうと判断し、魚を村に譲渡。村人たちは「神のおぼしめし」と歓喜した。
彼の挑戦は、かつて冒険に憧れたすべての大人たちの胸を躍らせる。
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※週刊ポスト2015年10月16・23日号