プロ野球のシーズン終わりが見えてくると、今年のドラフト展望が話題の中心になる。ドラ1候補は高校生投手では東海大相模の左腕・小笠原慎之介、右腕は県岐阜商の高橋純平。大学生投手は右の熊原健人(仙台大)と岡田明丈(大商大)、左の今永昇太(駒大)と上原健太(明大)といったところに視線が集中している。
「特に投手に関心を示しているのが巨人。杉内俊哉と内海哲也の両左腕が衰えたことでサウスポーの補強に重点を置いている。東海大相模の先輩である原監督の“最後の仕事”として小笠原に行くのか、190センチの長身から150キロを投げる明大・上原を指名するのかが注目されています。ただ、上原はすでに広島が1位指名を明言しています。
そして駒大の今永は、横浜・ソフトバンクが1位指名することを表明済み。ただ中日の落合博満GMが徹底マークしているといわれる。駒大OBの森繁和ヘッドコーチをパイプ役にするとか、少々動きが不気味です」(スポーツジャーナリスト)
しかし、中日は親会社・中日新聞が販路として重要視する岐阜が生んだ久々のスター、高橋純平(県岐阜商)の指名をめぐり、落合GMが指名回避と報じられ、これをみた白井文吾オーナーが激怒したという。それ以来、蜜月と言われた落合GMとオーナーの関係を含めたフロントの不和が囁かれており、ドラフト指名では高橋をどうするかが焦点となっている。
「谷繁元信監督としては高橋がほしい。今永と高橋、どちらが指名されるかで、中日内部の騒動の勝者がわかりそうです」(同前)
一方の野手。大学では高山俊(明大)、吉田正尚(青学大)らの名が挙がる。中でも高山については、ヤクルトが1位指名を早々に明言。早大で大学日本一を経験した茂木栄五郎については、中日が高い評価を与えている。
高校生では甲子園を沸かせた関東一高のオコエ瑠偉、そしてなんといっても仙台育英の平沢大河の争奪戦になるとみられる。楽天やロッテが狙いを定めているともっぱらの評判だ。
「オコエは打力に難があり、木製バットに苦労するといわれるが、それ以外、つまり走力や守備力は即戦力級。指名されるなら12球団OKという姿勢も評価が高い。投手力が充実している日本ハム、広島をはじめ西武やヤクルトでもリストに挙がっています。
ただ野手は大学生にA級が多いため、オコエは“ハズレ1位”指名になるのではと見られています。ウェーバーとの関係を考えてうまく指名すれば一本釣りできるかもしれません」(スポーツ紙アマ担当記者)
※週刊ポスト2015年10月16・23日号