《朝、ヨーグルトを食べると太る》。そんな衝撃理論を発表したのは、米国・シリコンバレーで成功したIT寵児。15年間、30万ドル(約3600万円)を投じて世界中の食とダイエットを研究したという著書『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』(デイヴ・アスプリー著、ダイヤモンド社刊)の中で、こんなふうに説明している。
空腹時の腸内細菌は脂肪を燃やす絶食誘導脂肪因子(FIAF)を生成するのだが、糖やでんぷんが与えられると、FIAFの生成が止まり、体が脂肪を蓄えてしまうようになる。それゆえ菌の豊富なヨーグルトも、朝の空腹時に摂ると、FIAFの生成が抑えられ太ってしまう、というのだ。
これまであまり深く考えたことはなかったけど、ヨーグルトは美と健康のために朝食べることを習慣にしてきた人も多いのでは? じゃあ、夜食べればいいってこと?
ダイエット専門のエステサロンにて食事指導の経験がある、管理栄養士の磯村優貴恵さんは次のように解説する。
「腸がうまく動く時間帯は夜22時から2時頃。その時間帯に、腸の中に善玉菌がたくさんいたほうがいい。善玉菌が腸内にたくさんあると、消化吸収を助けるほか、代謝がよくなったり、免疫力アップにつながったり、お肌がきれいになったりと健康と美容効果が期待できます。口に入れてから腸に届くまでには、3時間ほどかかるので、夜ご飯の時間帯に食べると、腸がいちばん元気な時に善玉菌を届けることができます」
また、一般保険診療のほか、便秘外来、健美腸ドック、ダイエット外来などの専門診療も行う小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子さんは、朝派でも夜派でもない。
「ヨーグルトは栄養素に富み、たんぱく質やミネラル、カルシウムが効率よく摂れますが、それなりに脂肪分がある食材。夕食が遅くなりがちな人や外食しがちな人は、そこにヨーグルトをプラスするとカロリーオーバーになり、肥満につながります。それならむしろ、朝や昼に摂ったほうが、カロリーを消費できます」
腸内環境に加え、カロリーや消化時間などを総合すると、ヨーグルトは昼間~夕飯の時間帯に食べるのが正解?
※女性セブン2015年10月22・29日号