「眠らなきゃ…」と焦るほど、緊張して眠れなくなるもの。いっそのこと、「眠らない」という選択肢もある。
「無理に寝ようとするのは逆効果です。ベッドに入って30分以上寝つけなければ、いったん起きて、眠気がくるのを待ちましょう。眠れないときは無理に眠らず、眠くなったら眠ればいいのです」(快眠セラピストの三橋美穂さん)
日本は不眠に悩む人が多いのに「睡眠薬は怖い」というイメージが広がり、使用率は男性3.5%、女性5.4%と低い。
久留米大学医学部・神経精神医学講座教授の内村直尚さんは「薬の適切な用量を守り、使用法を学んで上手につきあうことが大切」と話す。
「聞きなれない名前だとは思いますが、最近は睡眠に関する専門の病院が増えています。睡眠外来、不眠症外来、睡眠クリニックなど名前はさまざまですが、睡眠に関連する名前がついているので、近くにこうした病院がないか探してみるといいと思います。また内科、精神科などでも睡眠薬を処方してもらえます。値段は薬によってさまざまですが、調剤費込みで、2週間で500円ほどです」(内村さん)
ひと昔前までは処方してもらうのにハードルが高かった睡眠薬だが、薬も進化し、依存面などのリスクが少ないものも多く出てきているという。
「病気や体のコンディションと睡眠は非常に密接に関係しているので、最近では睡眠薬を上手に処方してくれる先生が増えています」(スリープ&ストレスクリニック林田健一院長)
睡眠薬と睡眠導入剤は広義には同じだが、一般に作用時間が長いものが睡眠薬、眠らせる力が強いものが睡眠導入剤とされる。ともに医師の処方が必要となる。
またドラッグストアでは『ドリエル』など睡眠改善薬も購入できる。これは覚醒を促す「ヒスタミン」という体内物質の働きをブロックして寝つきをよくする薬だ。
※女性セブン2015年11月5日号