「この人痴漢です!」と言われたら、99%有罪になるといわれる痴漢事件。身に覚えがない痴漢えん罪に巻き込まれてしまったらどのように対処したらよいのか? 実は痴漢えん罪に巻き込まれた局面では、いかに早く弁護士を呼べるかが重要。
「一連の対処法の中でも大事なのは釈放されること。当番弁護士は逮捕後に依頼できる制度なので、一刻も早く釈放してもらうことを考えるなら、それ以前にいち早く来てくれる私選弁護士を呼ぶのがベストな選択といえます」
そう話すのはアディーレ法律事務所の弁護士・篠田恵里香さんだ。具体的には、駅事務所へ行く前から警察署で携帯電話がとり上げられるまでの間のタイミングで、弁護士事務所に自ら電話したり、家族に手配を頼めるかが勝負。
そのためには日頃から刑事事件に強い法律事務所や各弁護士会の当番弁護士連絡先などの情報を家族と共有し、あらかじめ携帯電話に登録しておくのが望ましい。各弁護士会には“弁護士が1回無料で逮捕された人に面会に来てくれる”当番弁護士制度という心強い制度がある。
弁護士であれば、友人や家族が面会できない場合でも、警察官の立ち会いなく面会でき、逮捕後の注意ポイントなども相談できるので頼りになる。以降、続けてその弁護士に頼むかどうかは自由だが、無料で話せる初回時に今後の弁護士費用を確認しておくのもポイントだ。
連行され逮捕される警察署がわかった段階で、最寄りの弁護士会窓口に自ら電話するか、警察官に手配を頼むかのどちらかで、当番弁護士は誰でも依頼することができることを知っておきたい。
「早期に弁護士に刑事弁護を依頼すると、まず弁護士が警察署で“逮捕の必要性はない”と説得をすることで釈放してもらえる可能性があります。起訴されても、釈放されての在宅起訴なら、通常は裁判の内容や有罪判決を受けたことを周囲に知られずに済む場合も。
また早期に弁護士が被害者との示談を成立させれば不起訴処分になる可能性が高く、その場合は前科もつきません」(前出・篠田さん)
このように早く弁護士を呼ぶ利点は大きいが、日頃から弁護士とつきあいのある一般人はごく少数派だろう。
そんななか、痴漢に間違われたら弁護士にすぐ連絡がとれる弁護士保険を発売したのがジャパン少額短期保険だ。
「痴漢えん罪対応の保険として9月から発売したのが、賠償責任保険とセットで月額590円の『男を守る弁護士保険』です。
この契約者に提供する“痴漢えん罪ヘルプコール”は、事前に利用画面をケータイやスマホに登録。緊急時にボタンを押すだけで対応可能な弁護士と連絡がとれる仕組みです」(同社・杉本尚士さん)
こうした痴漢えん罪対応の保険、そして紹介したあらゆる予防策を日頃からとっておきたい。
※女性セブン2015年11月12日号