「カーディガンのように手軽に羽織れるコート」「カーディガンでは少し寒い、コートでは少し暑い、そんな秋冬に最適」「コートとカーデ、2つのいいとこどり」…と今年、特集しないファッション誌はないというほど注目されている「コーディガン」。情報番組や新聞でも売れ筋として紹介され、特に50代オーバーの女性たちの人気が上昇中だ。
「若者の流行スタイルかと思っていたんですが、ゆったりとしたロング丈で体のラインがキレイに隠れる」(53才)
「カジュアルなデニムのようなパンツにあわせるだけで、ちょっとしたお出かけ着に変身できてありがたい」(62才)
「縦長のシルエットになってスタイルがよく見えるんです」(50才)
今秋、日本でブームに火をつけたのは若い女性ではなく、「主婦層」だという。ファッションジャーナリストの宮田理江さんが言う。
「最近は主婦層の支持から流行するアイテムが多い。今夏に流行ったガウチョパンツもヒザ小僧を見せずにママチャリを漕げ、家事にも旅行にも適していて、主婦にとっての万能アイテムでした。着脱しやすく、機能性に富んでいるのにフェミニンらしさのあるコーディガンも同じですね」
デザイン、着やすさ、機能性、防寒性、女らしさ――すべてを兼ね備えた主婦向けの必須アイテムがコーディガンなのだ。
ハリウッドセレブたちが愛用し始めたのが流行の先駆けだ。“世界一のファッションアイコン”として名高いジェシカ・アルバ(34才)や“歌姫”テイラー・スウィフト(25才)らがリードしてきた。
「ここ2年ほど、パリ、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンの4大コレクションでは、体形のシルエットをスラッと縦長に見せる『Iライン』が流行り。その1つがチェスターコートで、その進化形としてロング丈の厚手ニットカーディガンを目にするようになりました。それを日本のファッション業界がコーディガンと名づけたんです」(前出・宮田さん)
ママ友の食事会などにチェスターコートを着ていくと、肩のカッチリ感やメンズライクな印象から、「ちょっと気合入れすぎじゃない?」と思われてしまうことも。そこでチェスターコートのカッチリした印象を和らげつつ、長めの丈感や防寒性を残したコーディガンの使い勝手は抜群だ。
※女性セブン2015年11月12日号