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一人っ子政策廃止の中国 年間出生人口は最大2000万人予測も

 中国共産党が5中全会(党中央委員会第5回全体会議)で「一人っ子政策」の廃止を決定したことが、大きな波紋を呼んでいる。しかし、本当に手放しで喜べるのだろうか。

 中国政府は一人っ子政策廃止によって年間の出生人口を最大で2000万人と見込んでいるが、「出生から大学卒業までにかかる費用は最低でも740万円、最高で2730万円」と試算した中国メディアもある。

 子育て費用が高騰する中国で制度廃止の勢いに任せて子供をもうけてしまえば、老後破産ならぬ“子づくり破産”する家庭が相次ぐ事態も考えられる。ネットで喜びの声が上がる一方で、

〈一人っ子政策はずっと硬い壁だった。私はずっとこの政策が軟化するのを待っていたが、遅すぎた〉

 と政策転換の遅さを嘆く書き込みもあった。しかし、その“遅れ”は笑えないほどの影響を社会に与えている。歪められた人口構成によって、すでに社会が大きく分断されている。

「女にあぶれた男たち」の性欲はどこへ向かうのか。一人っ子政策廃止が決まった後、ネット上にはこんな書き込みが相次いだ。

〈二孩(2人の子供)がいいなら、二ナイ(2人の愛人。ナイ=「女へん」に「乃」)も認めろ〉

『中国セックス文化大革命』(徳間文庫カレッジ)著者でジャーナリストの邱海涛氏によれば、この書き込みは「中国でも売春を合法化してほしい」という意味だという。

「夫婦は一人っ子政策廃止で性的に解放されたのに、独身男性たちは依然として解放されない。その“格差”に対する不満は計り知れません。男女比の不均衡が大きいだけに、この不満は解消されることなく、ますます鬱積していく可能性が高い。中国社会の不安定要因にもなりかねません」

※週刊ポスト2015年11月20日号

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