世の中には様々な「専門誌」が存在する。今はもうなくなってしまったが、かつて定期刊行されユニークな内容で人気を博した専門誌のひとつが、綱引競技を扱った『綱引マガジン』(ベースボール・マガジン社)。1990年から2007年まで発行されていた。運動会の競技として馴染み深い綱引だが、1900年のパリ大会から1920年のアントワープ大会まで五輪の正式種目となっていた。
「社団法人日本綱引連盟の機関誌として、スポーツ競技としての綱引の普及を図る目的で創刊され、66号まで季刊で発行してから休刊となりました。日本綱引連盟に加入している各都道府県連盟の関係者や競技者、指導者、審判員などがメインの読者。
内容は、世界選手権大会、全日本大会、地方大会などのレポートや、綱引競技の歴史やルール、競技者や審判員の技術向上についての記事などが中心でした」(同誌の元編集長・服部紀夫氏)
綱引は基本的に8人対8人で対戦する体重別の競技。そのチームの最後部に位置し重りの役割を果たす選手はアンカー(錨)と呼ばれるが、実はこれがリレーのアンカーの語源であることはあまり知られていない。
※週刊ポスト2015年11月20日号