何事にも正直なことはいいことだが、ただただ馬鹿正直なだけなのも考えモノだ。東京都に住むパート勤務の女性・Yさん(42才)の夫は家電メーカーに勤務する43才。その馬鹿正直っぷりが妙な方向に進んでいるという…。
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ああいうの、何バカっていうのかしら。夫はけっこうな大学を出て、大会社の総務に就職したものの、左遷続きの人生。
そりゃそうです。お世辞が言えないのはまだしも、「本当のことだから」と、上司を「バカ」呼ばわりしたり「無能」と罵ったり。近所にコンビニもないようなへんぴな職場に異動させられたのだって、「課長、カツラがズレています」と、人前で指摘したから。
それで毎日、私がお弁当を作ることになったんですけど、少しでも機嫌よく仕事ができるように保温弁当箱を用意。そしたら毎日、完食してくれるから、私もうれしくなって、から揚げやらとんかつ、煮物、卵焼き。早起きしてせっせと作って、彩りよく詰めていたんです。
先日、ちょっと気になって「何がいちばんおいしい?」って聞いたら、「カニカマ!」って満面の笑み。何かの間違いかと思ったけど、何回聞いても「カニカマ」と答えるんです。「他においしかったものは?」との問いには、しばらく考えて、「保温弁当だからご飯かな~」ですって。
試しに翌日、白いご飯に味つけなしのカニカマだけのせてみたら、あろうことか「最高。お前、料理の腕、上げたよな」と言うんですよ。ああ、私も夫をリストラしたくなりました。
※女性セブン2015年11月26日号