スコットランドのグラスゴーで開催された体操の世界選手権。37年ぶりに団体で金メダルを獲得した男子日本代表。そのエースの内村航平(26才)は、個人でも2つの金メダルに輝いた。
そんな内村がスコットランドから帰国後、『とくダネ!』(フジテレビ系)に出演した際の発言が騒動を巻き起こしている。
内村の母・周子さんが「いちばん食べたいものはなんですか? 唐揚げとかハンバーグとかカレーライスとかグラタンとか、たくさんありますが、好きなものをなんでもつくってあげたい」とビデオレターで呼びかけたことに対して、内村が「いちばん食べたいもの? そりゃ奥さんの手料理です」とコメントしたのだ。周子さんといえば、おさげ髪がトレードマークで、「息子ラブ」で有名だ。
これまでも内村家の嫁姑バトルは数々取沙汰されてきた。内村はまさに毅然とした態度で妻びいきをアピールしたわけだ。
主婦・家族問題評論家の池内ひろ美さんは「息子を子供扱いしてしまった」ということを前提に、内村にこうアドバイスを送る。
「食事に関する部分はスルーして『ここまで育ててくれてありがとう』といったことを言えれば、100点でしたね。それが、母親も恥をかかせず奥さんも困らせない大人の対応です。公然とああ言ってしまうと、母親としてはつらいし、奥さんとしては味方をしてもらえたものの、あとで姑に謝らなくてはならない可能性も出てきます」
賛否両論が巻き起こっている“内村発言”だが、間違いないのは、嫁姑問題に新たな一石を投じたこと。夫は母にどう向き合い、妻とどう接するべきかを、改めて考えることとなった。作家の亀山早苗さんが指摘する。
「嫁と姑がぶつかった時、その間に入ろうとしない夫はたくさんいます。でも内村さんは真ん中に入ったのが立派です。それに、親には何を言ってもあとからフォローできるけど、嫁にはそれは通用しません。今回も、公の場では“母より妻”と宣言した形になりましたが、お母さんには後で“あれはテレビだったから”とフォローすればいいだけです。それにあの発言は、自分の母親なら気にしないとわかっていてのものでしょう」
しっかり間に立って、まずは妻の味方をする。それがベストということだろう。池内さんも、嫁姑問題として見たとき、内村のあの発言は正しかったと評価する。
「多少こじれても、修復の機会があるのが親子関係。だから、母親と妻の対立構造になったら、夫は妻に味方するのが正しいといえます。母親側についてしまったら、もともと他人である妻と修復できなくなりますから。もし、内村さんが“妻の料理より母の料理が食べたい”と言ってしまったら、奥さんは“ならば、もう二度と作らない”となるでしょう。でも逆の発言であれば、母親は“生意気になっちゃって”ですませることもできます」
物議を醸しながらも、きちっと着地をまとめるあたり、さすが世界チャンピオンの面目躍如ということなのか。
※女性セブン2015年11月26日号