中国広東省珠海市で、クリーニング店を経営する男がネットで仲間を募って「影の軍団」を結成し、TNT爆弾を50トン製造するなどして、中共産党政権の転覆を画策していたことが分かった。市民の通報を受けた警察が内偵捜査を進め、中心メンバー7人に加え、北京や南京、上海などで支部を結成していたメンバー14人の計21人が逮捕された。中国国営新華社通信が伝えた。
首謀者は項逢選容疑者(41)で、窃盗で懲役5年の刑を受けた前科があった。出所後はクリーニング店を経営しながら、ネットで「晧月」と名乗り、「影の軍団を結成し、共産党政権を倒し、『民主憲政の道』を歩んで、『民政党』を創設して、自ら『総統』に就任して、中国を民主化させる」などと呼びかけていた。
このネット上の呼びかけを見た市民からの通報を受けた広東省の警察が内偵を進め、仲間に加わると見せて、おとり捜査を行なっていた。
項のほか、中心メンバーとして、「参謀」を名乗る馬驥(61)が北京や上海などでの拠点づくりを担当し、北京司令や上海司令、南京司令を任命するなど、項を助けていた。馬は「自分は清朝の満州族の貴族の末裔であり、天下を取った暁には『三妻四妾(妻3人、妾4人)』を愛でる」などと夢想していたという。
また、グループの中で兵器担当だったのは張六毛(43)という男で、自称「大学の化学科卒業」で、化学薬品の知識に優れており、TNT爆弾を製造していたという。張はガンが転移しており、逮捕された後、病院に収容され死亡している。
項らのグループはアジトで、「革命」を呼びかける出版物を1万冊印刷しており、すでに4000部が外部に配布されていたことから、警察ではほかにも仲間がいるとみて、捜査を進めている。
ネット上では「断固、広東省の警察を支持する」との書き込みに加えて、「民主国家およびその軍や警察は反共義士の行動に対して、支持し大きな支援を与えるべきである」とのまるで正反対の書き込みも見ることができる。