飲食店にはメニューには掲載されていない知る人ぞ知る「裏メニュー」がある。そんな「裏メニュー」は、全国チェーン展開する、なじみ深い店にもひっそりと存在している。
たとえば、イタリア料理チェーン『サイゼリヤ』での定番メニューの1つ「野菜ソースのハンバーグ」。このハンバーグにかかっている香味野菜のソース「ディアボラ」を、パスタなどにかけることが可能だという。チェーン店の裏メニュー事情に詳しい、フリージャーナリストの阿左美賢治氏が語る。
「ディアボラは追加料金を払えば他の食材にトッピング可能です。『ペペロンチーノ』にディアボラをトッピングするのが、辛さの中に香味野菜の旨みが加わって美味しいのでおすすめですね。また『タラコソースシシリー風』にトッピングすると、ディアボラ、シシリー、和風の3つの味が一度に味わえて多国籍料理のような楽しさがあります」
また、ファミリーレストランだからと侮るなかれ。メニューにはない「ワインリスト」を備えた店舗もある。店員に尋ねれば、思わぬ希少価値のあるワインを出してくれるかも。
中華料理チェーン『餃子の王将』では、餃子の焼き方の指定が可能だ。注文の際に「両面焼き」とオーダーすれば、全面的にパリパリッとした、普段とは違う食感を楽しむことができる。
また、天津飯や中華丼にかかっている「あん」を多めにしてもらうことも可能。牛丼の「つゆだく」のような感覚で、「あんだく」と注文すれば対応してくれる。
「麻婆豆腐の辛さも調整できるので、激辛好きの方には麻婆豆腐は『あんだく、激辛』がおすすめです」(前出・阿左美氏)
飲食チェーンでは原則、店舗でメニューにない商品を出すことは本部から禁止されていることが多い。裏メニューとは従業員と常連客の信頼関係によって成り立っていることを忘れず、無茶な注文をしないなどマナーを守って楽しみたいものだ。
※週刊ポスト2015年12月11日号