絶好調のNHK連続テレビ小説『あさが来た』。ヒロイン・あさ(波瑠)が嫁いだ大阪有数の両替屋・加野屋の大番頭・雁助を演じるのは山内圭哉(44才)だ。かなりの存在感を発揮する山内に撮影の裏側を聞いた。
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雁助は、仕事に励み大旦那さんや周りからも信頼のあついできる男です。昔は、そうした男が理想とされていたにもかかわらず、嫁と子供に逃げられている不思議な男でもあります。
そんな雁助を演じるに当たって、脚本に書かれていない設定をしっかり考えて役にのぞんでいます。
例えば、雁助はめちゃめちゃ早飯です。その理由を「結婚していたとき、嫁と子供と別の家に住んでいた。離婚して出戻りだから、みんなでいるのがバツが悪いから早食い」とか考えています。そうした設定作りを休憩時間にみんなで大喜利として楽しんでもいます。
仕事も人柄もしっかりした雁助が嫁と子供に逃げられた理由が最大のお題ですね。玉木くんや波瑠ちゃんと盛り上がっています。
「足が臭い」「いびきが半端ない」「酒癖が悪い」とかいろんな答えが出ましたが、「足が臭い」が今のところ有力ですかね。
また、ぼくは、子役のときに映画『瀬戸内少年野球団』で夏目雅子さんと共演しましたが、波瑠さんと似ていると思うところがいくつかあります。まずは、目の力とか見た目が単純に似ている。それから、共演者との接し方も似ています。
夏目さんと共演したとき、彼女は27才くらいでした。撮影中、常に子役のぼくたちと一緒に遊んでくれた。当時すでに大女優だったのにすごく親しみやすい存在でした。
振り返ってみると、あれは映画を作るに当たって、ぼくらとコミュニケーションをとっておきたいという、夏目さんのテーマだったと思うんです。
あさ役の波瑠ちゃんもそうです。朝ドラのヒロインというものを過剰に考えず、共演者みんなと楽しくコミュニケーションをとっている。柔軟なんですよ。「ひとりだけで頑張っても限界がある」ことを天然でわかっているかたです。すごく夏目さんと似ていると思います。
※女性セブン2015年12月10日号