リーマン・ショックで打撃を受けた世界経済を回復させるため先進国各国は金融緩和政策に舵を切ったが、いち早く回復基調に乗った米国が、いよいよ金利を引き上げる段階に入ってきた。12月半ばにも米国の利上げが確実視される中で、世界の株式市場の混乱を予想する声も多いが、はたして日本株にどんな影響があるのか。グローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏は、こう分析する。
「株式市場にとって一番望ましいパターンは、ECB(欧州中央銀行)や日銀の追加緩和への期待で株価が上昇している局面で米国の利上げが行なわれ、日欧の緩和が継続する中で実際に日欧の景気が回復していくケースです。そうなれば2016年の株価水準は一段違う新ステージとなるのではないでしょうか」
実際、今夏には中国発の世界同時株安が起こったが、株式市場はすでにショック前の水準まで回復している。パリ同時テロの市場への影響も軽微だ。
こうした株高局面で米利上げが実施されれば、「日米金融政策の方向性の違いから2016年前半には1ドル=130円台までの円安進行も予想され、輸出企業の多い日本株を押し上げる要因となる」(同前)という。
12月1日に発売された『マネーポスト』新春号では、前出・戸松氏をはじめとするカリスマたちが2016年の「プレミアお宝株」ベスト50をピックアップしている。激動の世界経済を勝ち抜くど真ん中銘柄を、ぜひ探し出してもらいたい。
※週刊ポスト2015年12月18日号