「2016年3月には本当にビリになる」──そんな不安がフジテレビを覆っている。バラエティ路線を突っ走り、“民放の雄”をほしいままにした時代は遠い昔。11月第4週のゴールデン帯(19~22時)視聴率では、“民放のお荷物”と呼ばれ続けたテレビ東京の後塵を拝し、瞬間風速とはいえ民放最下位に転落した。
2015年度上半期の決算では民放キー局で唯一の減収減益、開局以来初の赤字に転落。31年続いた(※注)長寿番組『ごきげんよう』、その後の昼ドラ枠を3月に打ち切りとするなどのテコ入れ策を発表した。
【※注/1984年から始まった前身番組『ライオンのいただきます』を含む】
さらに、同局を代表するバラエティ『めちゃ×2イケてるッ!』の2時間SP(12月5日放送)が視聴率7.5%と惨敗すると、「3月打ち切り説」が報じられた。フジ編成関係者は、「10月に20周年を迎えるので、それまでは続けるだろう」と否定するが、危機には変わりない。フジ中堅社員が諦め顔で語る。
「バラエティ番組をリストラしても、その後を埋める番組がコケればジリ貧になる。4月に大改編しても、前回の二の舞になれば、それこそ“テレ東の下”に落ち込んでしまう」
“前回”とは、2015年3月に昼の番組を刷新しスタートさせた情報番組『直撃LIVEグッディ!』のことだ。今も視聴率は1%台を連発する超低空飛行。「春の改編は鬼門」(同前)と囁かれる所以だ。
そんな逆風を打開すべく検討されているのが、3月に終了する『ごきげんよう』の後継の情報番組に、カトパンこと加藤綾子アナ(30)をキャスターに起用する計画だというが……。
「同じパターンで失敗した『グッディ!』を目の当たりにしているだけに、カトパンは難色を示すだろう。それどころか、2015年7月に報じられたフリー転身が再燃するきっかけになりかねない」(フジ関係者)
この時は亀山千広社長が会見で「加藤から〈退社しません〉というメールが来た」と明かして否定した。
「この亀山発言によって、退社を延期したといわれるカトパンですが、芸能事務所との接触は続けているようです。新番組がスタートする前の3月に、亀山社長に〈お世話になりました〉というメールが届くかもしれません」(スポーツ紙芸能担当記者)
そんな事態になれば、「カトパンと親しい椿原慶子アナ(30)、山崎夕貴アナ(28)、三田友梨佳アナ(28)ら人気アナも、後を追うように退社しかねない」(フジ関係者)との不安がよぎる。
バラエティ不振に続いて、人気女子アナたちから“三行半”を突きつけられれば、いよいよ深刻な危機を迎える。
※週刊ポスト2016年1月1・8日号