『報道ステーション』(テレビ朝日系)のキャスターを12年間務めてきた古舘伊知郎(61)が3月末の放送で降板すると発表されると、関係者の間ではすぐに4月からの“後任情報”が飛び交った。
発表当日の『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)冒頭で宮根誠司(52)が“こんにちは。12月24日木曜日、報道ステーションです”とジョークを飛ばして「宮根さんはやる気では」(業界関係者)との声があがれば、「宮根さんは日テレが手放さないから無理。テレ朝の早河洋・会長がお気に入りの羽鳥慎一さん(44)も先の9月から朝の冠番組が始まったばかりで無理そう。誰になるんだ」(キー局社員)と情報が錯綜した。
そんな突然の降板発表の理由としてテレ朝関係者は「コスト削減」を挙げる。
「報ステの制作も請け負う古舘プロへの支払いは年間数十億円ともいわれる。降板は局のコスト削減の一環でしょう。だから社内では、発表直後から後任は局アナの内部昇格が有力視されていた。『スーパーJチャンネル』のキャスターの渡辺宜嗣さん(61)や、古舘さんの夏休みなどに“代打”でいい数字を出した富川悠太アナ(39)の名前が挙がっていた。早河会長はお気に入りの富川アナをワンポイントで起用して、その後羽鳥さんにバトンを渡すというシナリオを描いたのでは」
発表当日には古舘本人が会見で「不自由な12年間だった」と語ったが、そのあたりを降板の真相とみる向きもある。
「古舘さんサイドにも、テレ朝の官邸ベッタリの姿勢に嫌気が差しているところがあった。もともと久米宏さんの後任に古舘さんを起用したのは早河会長ですが、その会長をはじめとするテレ朝の現体制は政権との距離をぐっと縮めた。その結果、番組内でコメンテーターの古賀茂明さん(元経産官僚)が、“官邸の圧力で自分は降ろされる”と言い出す事態まで起きた。後任に局アナの名前が挙がったのも、“操縦しやすいからだ”という声も聞かれた」(前出のテレ朝関係者)
古舘が報ステを去る決意をした背景を考えると、新年早々明るい気持ちにはなれない。
※週刊ポスト2016年1月15・22日号