スポーツ選手は実力があってもケガや不運で活躍できないこともある。それだけに神様にすがる選手は少なくない。護摩行で精神を鍛えてシーズンに臨む選手たちもいる。
広島の新井貴浩が毎年1月に護摩行に励むのが、鹿児島市にある「烏帽子山最福寺」。ここでは広島の野村謙二郎前監督や阪神の金本知憲新監督、元オリックスの清原和博氏らも現役時代に護摩行に励んだ。
護摩行はインド伝来の、密教最高の修行法。燃え盛る炎の前で全身全霊で不動真言を唱え、煩悩を焼き尽くすという。
新井は2004年12月から毎シーズンオフに同寺で護摩行をしている。2015年1月には約3000本の護摩木を燃やして1時間40分にわたって炎と向き合った。新井は顔面を真っ赤にした状態で、
「何回やっても厳しいです。この行で1年のスイッチが入る。しっかりと自分の気持ちを固めることができました」
とコメント。8シーズンぶりとなる古巣・広島で4月中旬から4番に座り、チームの柱として活躍できたのもそのおかげだろうか。
2015年オフには、侍ジャパンの主軸を担った日本ハムの中田翔も出身校・大阪桐蔭高に近い東大阪市内の鞍馬山護国院で護摩行を行なっている。
※週刊ポスト2016年1月15・22日号