投資信託の大手運用会社・三菱UFJ国際投信が、株安の最中である1月14日に、興味深い臨時レポートを発表した。それが「『日本株市場、なぜ下がった?』〈足下の国内株式市況と今後の見通し〉」だ。そこでは、こんな強気の株価予想をしている。
〈半年後、2016年央の日経平均株価のターゲットレンジを21000円~23000円と想定しています〉
同レポートでは、日銀の異次元緩和が継続されることをその根拠の一つとしている。それを踏まえて、今後どういった銘柄に投資していけば良いのか。
注目されているのがこれまで積極的に量的金融緩和を続けてきた黒田東彦・日銀総裁が、さらなる株価押し上げ効果を期待できる追加緩和策、いわゆる「黒田バズーカ第3弾(※注)」の発動に踏み切るかどうかだ。
【※注/日銀の黒田総裁が緩和策を打ち出すたびに円安・株高が進むことから、市場関係者はそれを「バズーカ」と呼ぶ。2013年4月、2014年10月に続いて次に実施されれば「第3弾」となる】
カブ知恵代表の藤井英敏氏は、実施を見込んで仕込む戦略は有効だという。
「この数年、株高は円安とともに進行してきた。それが年明けから円高基調が続いている。追加緩和には為替を円安に振れさせる効果が期待できるので、早い段階でのバズーカ発射もあり得るのではないでしょうか。
それによる上昇期待銘柄は決定の号砲が鳴ってから買ったのでは遅い。1月28日・29日に行なわれる日銀金融政策決定会合の前に仕込んでおくのが鉄則です。もし追加の緩和策が決まって一気に跳ねるようだったらそこで売るべきでしょう」
具体的に狙い目となる「バズーカ銘柄」を見ていく。
「ストレートに反応するのが金利敏感株といわれる消費者金融や不動産関連です」(同前)
追加緩和には企業が資金調達する際の金利を押し下げる効果があると見込まれる。その恩恵が大きく、株価上昇につながりやすいとされるのが金利敏感株だ。
「消費者金融では数少ないノンバンクのアイフルに注目しています。不動産で面白いのがケネディクス。不動産ファンド運営会社ですが、2015年12月期の純利益は前年比92%増の93億円と好調。値動きが激しいのでリスクを伴うものの大きく稼げる可能性がある」(同前)
さらに追加緩和によって円安傾向に振れる可能性も忘れてはならない。
「円安が進めば輸出企業にプラスなので、海外での売り上げが大きい企業に注目です。ブリヂストンやニコンなどは海外での売り上げが全体の大半を占めており狙い目。ニコンはオリンピックイヤーでカメラ需要の高まりも期待できる」(同前)
※週刊ポスト2016年2月5日号