ライフ

交渉術の専門家 謝る時期は「早いに越したことがない」

「人はケンカをすると、ショックを和らげるため、無意識に自分を正当化してしまいます」。そう話すのは、話し方・交渉術の講師として活躍する藤田尚弓さん。

 ケンカの原因になった事実を、お互い自分に都合よく判断するため、自分は“正しい”と思ったことが、相手には“正しくない”と思われることも多い。

「おつきあいを続けたいなら、どちらが正しいかは考えない方がいい。人間は、きちんと謝ってもらうと、怒りや憎しみが収まったり、悲しみなどのショックが和らぎますから、相手を許す気持ちに移行しやすくなります」(藤田さん、以下「」内同)

 だが、間違った謝罪で関係をさらにこじらせてしまうことが多いのも事実。気持ちよく仲直りできる謝り方とは、どういったものなのだろうか──。

 藤田さんがケンカに関するアンケート調査を実施した結果、謝る人にとっては、さほど重要でない出来事が、相手にとっては、見逃すことのできない一大事という場合も多かったという。

「しかも、男性よりも女性の方が、その開きが大きい傾向にあります。ですから、こちらが軽い気持ちで謝ってしまうと、相手には“誠意がない”と受け取られてしまいます」

 さらに、謝罪する側には無意識に「責任を回避したい」という気持ちが働くため、中途半端なお詫びになりがちだ。

「話す順序や声のトーン、表情、雰囲気などから、相手は表面的な謝罪なのか、心からの謝罪なのかを判断します。特に言葉と態度にギャップがあった場合、表情やトーンを信じるものなので、できるだけていねいに謝りましょう」

 謝る時期については、「時間を空けず、早いに越したことはない」と藤田さん。しかし、長年謝れずに疎遠になっていて、それでも関係を修復したいなら、これから先も気に病み続けるより、思い切ってこちらから謝意を示すしかない。

「もちろん、先方がそもそも聞く耳を持たない場合もあるでしょう。その時はその時と割り切るしかありません。しかし、誠意をもって謝られて嫌な人はいません。それに、相手がまったく気にしていなかったことがわかる場合もあります。どちらにしろ、それであなた自身のもやもやが晴れるなら、一歩を踏み出す方がいいはずです」

※女性セブン2016年2月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン