昨年10月から導入されたマイナンバーだが、未だに届かないという問題などの声があがっている。さらには、マイナンバーにまつわる収賄騒動や、詐欺事件なども起こっている。果たして、マイナンバーにまつわる混乱は落ち着き、人々の生活は便利になるのだろうか…。
個人番号カードがあればコンビニで住民票が交付される、といったニュースもあって生活が便利になるかと思いきや、国民全員が同じサービスを受けられるわけではないようだ。税理士の青木丈さんは、こう語る。
「コンビニの証明書交付は自治体が始めるサービスの1つ。ですが“初期投資が払えないためサービス利用は不可能”という市町村もあります。国が法律で定めるマイナンバー制度の範囲外は各自治体が条例で決めていいことになっているので、自治体ごとに格差が出るのは仕方がありません」
マイナンバー交付に伴って横行しているのが「マイナンバー詐欺」。“有料サイトの未払い金を支払わないとマイナンバーに犯罪履歴が付く”“番号が流出しているから、お金を払って変えたほうがいい”など手口はさまざまだが、すでに被害に遭っている人は少なくない。
「マイナンバーの利用範囲は国の法律や自治体の条例で定められています。必要になるのは主に、勤務先、金融機関、社会保障・税・災害対策にかかわる行政手続き時です。レンタル店などで番号を求められることはありません。
さらに、マイナンバーに関して、お金が求められることは絶対にないので、いかなる理由があっても、金銭を支払ってはいけません」(青木さん)
総務省のHPには、その運用範囲が細かく書かれており、現時点では税金にまつわることが主なようだ。
全部を暗記するのは不可能なので、提示を求められたら、まずはHPや役所で確認することが、詐欺に遭わない最も確実な方法だといえるだろう。たかが12桁の番号に振り回されないよう、まずは情報確認からはじめよう。
※女性セブン2016年2月18日