韓国の対日外交を振り返れば、日本側に歩み寄ったように見せてはそれを覆す「裏切りの歴史」だ。国交回復から半世紀。日本を振り回し続けた韓国を産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏が斬る。
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韓国人が好きな言説に「国際関係においては永遠の友も存在しなければ永遠の敵も存在しない」というのがある。マスコミや識者の論評によく登場するが、これにはいつも違和感を覚える。
国際政治にはそういう面があり、内心でそう思っているのは構わない。ただ「そんなにしょっちゅう堂々と口に出して言うことではないだろう」と思う。これだと韓国人は、同盟関係でも友好関係でも結局は相手を信用していないことになり、相手はいつ裏切られるかもしれないと警戒するだろう。
韓国(朝鮮半島)はアジア大陸にぶら下がった半島国家という地政学的環境から、自らの生き残りのために周辺国といつもだましだまされの“綱渡り外交”を展開してきた。その歴史的経験がそう言わせているのだ。
よく言えば外交的になかなかの「知恵者」であり、悪く言えば国際的「すれっからし」ということだ。北朝鮮を見ればそれは明らかだろう。その韓国に日本は振り回されてきた。ここでは近代史はさておき戦後の日韓関係に限って振り返るが、その歴史はいささか大げさにいえば“対日裏切りの歴史”だった。
民間における最近の対日裏切りのエピソードを紹介しておく。日本の支援・協力で誕生し、日韓協力の最大の成功例といわれた韓国経済発展のシンボル「POSCO(旧・浦項総合製鉄)」の日本に対する裏切りのことだ。
POSCOは今や世界的規模の鉄鋼メーカーだが、その“産みの親”ともいうべき新日本製鐵(現在は「新日鐵住金」)から先端技術を盗用していたことが判明。裁判になり、昨年、損害賠償として300億円もの和解金を新日鐵側に支払わされた。