国際情報

中国で仰天広告「刑務所での身代わり受刑者急募」の真偽

「刑務所での身代わり受刑者急募」──。インターネット上に寄せられた、このような驚きの広告が大きな話題になっている。「絶対に悪ふざけに違いない」との大学教授のコメントのほか、「地方ではよくあること。刑務所の幹部が職権を乱用して、金もうけをしている」との“告発”の書き込みも現れるなど、警察も捜査に乗り出している。

 これは中国内陸部・湖北省の地方紙「楚天都市報」が報じたもの。同紙は同省の省都・武漢で60万部発行しているほか、他の宜昌市など数都市でも20万部の計80万部の発行部数を誇る。同紙記者が中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」で、この急募広告を発見した。

 その内容は「受刑者の身代わり」は「25~30歳の男性1人」であり、「刑期は5年7か月」で、謝礼として「320万元(約5800万円)」が刑務所に入る前に一括で支払われるというもの。さらに、「刑務所との段取りは手配済であり、刑務所内でひどい目には合わないことを保証する」としている。

 つまり、この文面を素直に読むと、本当の受刑者は20代の若い男で、すでに刑務所側と身代わりが入所することで話がついており、あとは身代わりが入所するのを待つばかりになっているということだ。

 しかも、連絡先として携帯電話番号まで明記しており、この番号は湖北省宜昌市で使われていることが分かっている。

 これについて、楚天都市報にコメントを求められた中南財経政法大学法学部の張徳水教授は「これは明らかに、悪ふざけに違いない」と断定する。この理由として、教授は「刑期が5年7か月となっているためで、通常、服役する刑期は事前には分からないはずだ」と説明する。

 それに反論するのが、浙江省の良済弁護士事務所で、「緊急募集ということならば、すでに正当な司法手続きが妨害されているということだ。身代わりの服役ということはありえないことだが、すでに刑務所側も了承済みということだろう」と指摘する。

 ネット上では、「身代わり受刑はよくある話で、公然の秘密だ。すでに、そのような実例はネット上で出ている」とか、「警察が無実の人を捕まえて、拷問で『自白』させることは、よくある事例だ。身代わり受刑は違法行為全体から見れば、氷山の一角に過ぎない」などとの意見も書き込まれている。

関連キーワード

トピックス

中居正広
【スクープ】中居正広が女性との間に重大トラブル、巨額の解決金を支払う 重病から復帰後の会食で深刻な問題が発生
女性セブン
大河ドラマ初出演、初主演の横浜流星
横浜流星、新大河ドラマ『べらぼう』撮影でアクシデント “祠を背負って何度も猛ダッシュ”で…想像を絶する「根性」
女性セブン
ワールドシリーズを制覇し、3度目のMVPを獲得した大谷翔平(写真/AFLO)
【故郷で異変】大谷翔平 「グッズ爆騰」で「小学校時代の直筆手紙」が”閲覧不可”になっていた
NEWSポストセブン
平原容疑者(共同通信)とその自宅
「ドスドス…」「バンバン」土地に戸建て、車は2台持ち…平原政徳容疑者(43・無職)の一軒家から聞こえた“異常な音”「そのころ奥さんもいたのかな」【北九州・中学生死傷】
NEWSポストセブン
“猫好き”が恋の始まりだった中山美穂さん
中山美穂さん、最後の交際相手との“臆病な恋”「別れた時の喪失感が増すから深い交際にならない方が…」互いに心がけた“適度な距離感”
女性セブン
記者会見する林芳正官房長官(時事通信フォト)
《天皇皇后両陛下の前で“着崩れ着物”》林芳正官房長官のX投稿夫婦写真が炎上 石破内閣が「だらし内閣」のイメージを打破するのに立ちはだかる“高い壁”
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
「長男は毎晩ぬいぐるみを涙で濡らし…」急逝の中山美穂さん、辻仁成氏との離婚で“母子断絶10年” 残された遺産の行方
NEWSポストセブン
元々母や姉と一緒に住んでいたという
「何しに来たんか!」女子中学生刺殺で逮捕の平原政徳(43・無職)、近隣住民が語った“迷惑系素顔”「リフォームして、お金は持ってるんだろうなと…」 自宅前に置かれていた「200リッターのドラム缶」
NEWSポストセブン
2022年に日本ハムの監督に就任した新庄剛志(時事通信フォト)
【プロ野球名物座談会】辛口レジェンドたちがこぞって日本ハム新庄剛志監督をベタ褒め 躍進の理由は、野村克也監督の真似にあり?
NEWSポストセブン
取締役に抜擢した女性とは親密な関係のピクセラ藤岡毅社長
《情実人事か》東証上場企業「ピクセラ」社長が松岡茉優似の女性を取締役に抜擢「親密すぎる関係」を疑う声も
NEWSポストセブン
番組でブレイクするには狭き門
《明石家さんまの声が聞こえない…!》「もう寿命くるやろ」冠番組初の“テロップ対応”も…自身の喉の不調に「辞めなしゃーない」
NEWSポストセブン
訃報から3年が経った神田沙也加さん。元恋人の前山剛久
《前山剛久が語った元恋人・神田沙也加さん》「お墓参りはまだ叶っておりません…」相次ぐ痛烈批判への想い、急死から3年
NEWSポストセブン