〈師匠、あなたもゲスだったのか〉という見出しで写真週刊誌『FRIDAY』(3月4日号)が報じた落語家・桂文枝(72)の不倫騒動が意外な展開を見せている。記事では、文枝は演歌歌手・紫艶(38)と20年にわたる「不倫関係」にあったとされ、2人の親密な写真なども掲載されていた。釈明に追われる文枝を“擁護”したのが俳優の武田鉄矢だ(66)。
2月21日に放送されたテレビ番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、同記事に対し、「これ、タイトル間違ってますよ。不倫が事実だとしても、どこがゲスですか? 自分の稼ぎでやってらっしゃるわけだから。一点の曇りもない“立派な間違った恋”ですよ」と反論したのだ。
この発言が、新たな「不倫論争」を巻き起こしている。本誌が50代以上の男性に調査したところ、次のような意見が大半を占めた。
「文枝さんは会見で“嫁さんを裏切って……”とうなだれていたが、家族に迷惑を掛けまいとしながらも、揺れ動く感情に翻弄された男の誠実さを感じた。あれは“ゲス不倫”とは言えない」(50代・会社員)
「川谷(ゲス極)や宮崎(謙介)元議員は、最初から妻を欺いて“乗り換え”を画策したり、イイ思いをするつもりだった許しがたいケース。文枝は苦楽を共にした妻を蔑ろにすることなく、自分の身銭を切って真面目に交際していたんだと思う。同じ不倫でも全く違う」(60代・会社役員)
不倫には“ゲス”なものと“立派な過ち”の2種類があるいう武田の持論に共感した人は多いようだ。武田に発言の真意について聞いた。
「不倫を擁護したわけではありません。文枝師匠の場合、世間に何一つ迷惑を掛けていない。それを流行りだからと言って“下衆”(ゲス)なんて言葉で表現してはいけません。迷惑を掛けた家族に対して師匠は、身悶えしながら奥様に謝ったじゃないですか。しかも自分のおカネで、相手をサポートする面もあったお付き合いだったと見受けられます。お2人の関係は“正しい間違い”だったと思うのです。
私はすべての男は“愛妻家”だと思っています。ただ、時に抗えない恋と出会うこともあります。不倫がバレたら、大抵の男はオロオロして頭を掻きむしり、時に女房に土下座もする。その苦悩は察するに余りあるし、他人事じゃない。何でもかんでも“下衆”や“不倫”という言葉で一緒くたにしてほしくないのです」
これからは妻帯者のやむにやまれぬ“道ならぬ恋”は「不倫」改め、「間違った恋」と呼ぶ人も出るか?
※週刊ポスト2016年3月11日号