『金本阪神4発! 超変革で初陣大勝』(2月17日・日刊スポーツ)
『二塁譲らん! 虎・西岡同点打で先制パンチ』(2月26日・サンケイスポーツ)
『メッセ開幕 5本柱でロケットスタート』(3月1日・大阪日刊スポーツ)
連日のスポーツ紙の報道は、今にも阪神が優勝しそうなものばかりだ。
その情報を鵜呑みにすると、今年の阪神には先発投手が6枚も7枚もっていて、内外野ともに選手の層が厚いために競争が激しく、加えて長距離砲がたくさんいる。金本知憲監督はスローガンである「超変革」の言葉の通り阪神を大きく変えた。今年の優勝はもうもらったようなもの──そう読める。
だが、デイリースポーツの元編集局長で『阪神タイガース「黒歴史」』(講談社刊)の著者である平井隆司氏は、こう解説する。
「在阪スポーツ紙の場合、キャンプ、オープン戦での阪神の報道内容は通常でも7掛け。新監督ともなれば“半額”に差し引いて読まないとダメです。この時期の新聞はどんなネガティブな内容でも、ファンが喜ぶように書こうと努めている。オープン戦が終わるまでは悪いことは書きません」
在阪スポーツ紙デスクが、苦笑しながら頷く。
「阪神の暗黒時代といわれた5位と6位の繰り返しだった頃(1995~2001年)でも、オープン戦の時期には、不安要素には目をつぶって前向きな話ばかり書かされました。それで6月には、もうストーブリーグの記事を書いたもんです(笑い)」
つまりイケイケの報道はまったくアテにならないということだ。事実、今季の阪神は「12球団一ヤバイといえると思う」(同前)くらい不安を多数抱えている。